日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

排水処理対策

バルキングとは?(数値化で対策・タイプ別バルキング改善方法)

 2024/12/05   

こんにちは。代表の澤本悟博です。
冬になり、バルキングが起こりやすい時期となりました。

そもそも、バルキングとは?

バルキングとは、排水処理において活性汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽で固液分離が十分に進まない状態を指します。
汚泥が処理水に混じって処理水質の悪化を引き起こし一般的にはキャリーオーバーと言われています。

沈殿槽汚泥流出

弊社は数値管理で「排水処理の見える化」を行っていますので、バルキングも数値化しています!

①初期段階で対策を行えば低コストで沈降性を改善できます。
㏗管理、栄養剤だけでほぼ改善できます。

②中期段階で対策を行えば㏗管理・栄養剤の他に、沈降剤が少量必要となります。

③終期段階で対策を行えば㏗管理・栄養剤の他に、沈降剤が大量必要となります。

初期段階で対策を行うことが大切です。
東洋医学で言う「未病」の考え方を取り入れています。

<バルキングの原因>
①栄養塩不足
②低BOD汚泥負荷
③長い汚泥滞留時間
④低DO
⑤低pH
⑥大きな負荷変動時

<タイプ別バルキング>
①糸状菌・放線菌の増殖によるバルキング
②汚泥の粘性増加や凝集性の低下によるバルキング
③㏗ショック、高濃度排水混入による負荷ショックによるバルキング

バルキングを改善するには、原因を調査してそれに合った対応策が必要です。
糸状菌・放線菌バルキングの場合は、栄養剤を添加したり、曝気強度の調整などで糸状菌・放線菌が増えにくい環境を整える必要があります。
非糸状菌・放線菌バルキングの場合は、曝気槽のDO(溶存酸素)やORP(酸化還元電位)を確認しながら、BOD負荷量に応じた排水処理施設の運用管理が必要です。

バルキング対策のページもぜひご覧ください。

バルキングでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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汚泥脱水機 ヘリオス脱水機750UPの納品

 2024/12/04   

こんにちは。営業担当の澤本享宏です。
本格的に冬が始まりました。
人間と同じで、微生物たちの活性具合も少しずつ低下してきました。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。

先日、山形県のお取引様へ「ヘリオス脱水機750UP」を納品いたしました。



弊社は長年ヘリオス様の脱水機をご提案しています。
ヘリオス様の脱水機には、以下のような特徴があります。

①含油汚泥に強い

②メンテナンス費が低廉

③省エネルギー

④コンパクト設計

⑤連続運転が容易に可能

⑥快適な作業環境(音は静か、液や臭気の飛散がありません)

⑦洗浄水量が少ない

一番の魅力は、なんといっても①の含油汚泥に強いことです。

弊社がヘリオス脱水機を納めさせていただいているお客様には、食品関係の会社が多いです。
どのお客様からも、
「油があっても安定して絞れる」
「含水率が以前使っていたものより低く、ランニングコストが減った」

とのお声をいただきます。

年々、汚泥の産廃費用は高騰しています。
含水率が2~3%変わるだけで、ランニングコストが大きく変わります。
たった2~3%ですが、侮ることなかれです。

汚泥の産廃費用をもっと下げたい、安定して能力を出したい、そもそも負荷が高くなり前処理を検討している、などの処理方法や排水処理全般でお困りの方は、是非ご相談ください。

すぐに駆けつけ、現場でのお打ち合わせや負荷計算等行い、改善策をご提案させていただきます。

お問い合わせはお気軽にどうぞ。お待ちしております。
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建設中の排水処理施設の躯体配筋検査

 2024/10/07   

こんにちは。野崎徹です。
以前のブログ記事「排水処理施設の3D図面作成」の続きです。
3D図面で計画していた排水処理施設が、現在建設中です。

計画から着工まで非常にタイトなスケジュールでしたが、躯体工事の受注建設会社様のご尽力のおかげもありまして、ここまで順調に建設が進んでます。
その躯体配筋検査に行ってきました。

この現場は当社からだと片道4時間移動に掛かりますが、当社が関わらせて頂いてる排水処理施設の中では平均的な移動時間かと思います。
日本全国どこでも伺いますので是非お気軽にお声かけください。

お問い合わせはこちらから

脱水機いらず!弊社独自の「天城抗火石散水ろ床方式」

 2024/08/30   

こんにちは。澤本享宏です。

先日、設計部の野崎が排水処理施設散水槽の昇降を楽にしたい」との要望を受け、現地調査に伺いました。
(その時の様子は「排水処理施設の散水槽の昇降を安全かつ容易にする計画」の記事をご覧ください。)

実はこの会社さんに弊社の「天城抗火石散水ろ床方式」を導入していただきました。

この会社様は下水放流で、入れさせていただいた散水ろ床方式の主なフローとしては、
原水槽 → 調整槽 → 散水ろ床槽 → 処理槽、という流れになっています。


排水処理施設全体


散水ろ床槽の様子


左が原水で、右が処理水


処理槽

弊社独自のプラント「天城抗火石散水ろ床方式」を導入して頂くと、下水放流の場合、沈殿槽と脱水機を設置しなくても処理が可能です。
なぜ脱水機が設置しなくてもよいのか。その理由は、、お問い合わせください。
また「天城抗火石散水ろ床」は、環境省のETV事業で環境技術として実証されており、環境面や安全面に配慮されたプラントシステムです。

ETV事業についてはこちら

導入していただいたお客様から一番寄せられるお声が、
・現行設備に追加でき、導入前よりも処理能力が上がった
・イニシャルコストを低く導入できた
・ランニングコストが下がった(汚泥処分費、薬剤費、人件費)

の3点でした。

年々汚泥の産廃費用が上がっている状況から、負荷が上がり現状の排水処理施設では対応できない、との声もお聞きします。

このような排水処理施設に関することや、そもそも「天城抗火石散水ろ床」に興味ある方も一度お問い合わせください。

「天城抗火石高速散水ろ床法」詳細はこちら

弊社では電話でのご相談(無料)や、速やかに現場に駆けつけての調査(無料)、汚泥を採取し分析・テスト(無料)など、スピード解決のためのサービスの一部を無料で提供していますので、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

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返送汚泥とは?必要な理由とその重要性

 2024/07/04   

こんにちは。澤本享宏です。

1年前に「研修と現場で学ぶ「汚泥の返送濃度と滞留時間」の重要性」という記事を書きましたが、今回はそもそも返送汚泥とは何か、また上記のことをさらに詳しく説明したいと思います。

活性汚泥法では沈殿槽底に汚泥が沈殿します。
沈殿した汚泥を曝気槽と汚泥貯留槽に返すことを返送汚泥といいます。

そもそも、なぜ返送汚泥をするのでしょうか。

曝気槽への返送汚泥理由は、曝気槽内でのMLSS(汚泥濃度)を維持するためです。
排水処理では毎日工場から原水が流れてきますので、通常は曝気槽への返送汚泥率は処理量と同じく100%行います。
MLSSを維持できないと生物処理ができません。

汚泥返送率は現場ごとに違います。
そのノウハウは、、、お問い合わせください。現場にお伺いして判断させていただきます。

返送汚泥も生物処理をしていく上では重要な要素となります。
ただそれだけを調整したからといって、うまくいくとも限りません。ここが排水処理の難しく、面白いところですね。

スピード対応が求められる排水処理のトラブルに対して、弊社では電話でのご相談(無料)や、速やかに現場に駆けつけての調査(無料)、汚泥を採取し分析・テスト(無料)など、スピード解決のためのサービスの一部を無料で提供していますので、お気軽にお問い合わせください。

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