日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

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排水処理での消泡剤はシリコン系よりアルコール系がおすすめ

 2025/01/16   

こんにちは。澤本享宏です。
年始に風邪をひきダウンしていました。
現在インフルが猛威をふるっているので、みなさまもどうかお気を付けください。

さて、本日は排水処理施設で使用する際におすすめの消泡剤についてです。
題名にもありますが、使用するおすすめの消泡剤はズバリ、アルコール系です。

なぜアルコール系なのか説明していきます。

そもそも消泡剤の系統は大きく2つ。「シリコン系」と「アルコール系」です。

その2つの比較は以下の通りです。
 

シリコン系 アルコール系
特徴
  • ㏗が低いところで効果あり
  • 持続時間が短い
  • 原液での使用
  • ㏗が低くても高くても効果あり
  • 持続時間が長い
  • 希釈して使用

 
排水処理では㏗が高いところが多いため、シリコン系だとほぼ効果が見られません。

以下が2つを比較した動画です。

シリコン系原液を投入して10分後。

 

アルコール系を投入して2-3分後。
 
このようにシリコン系では排水処理の曝気槽の泡が消えません。
しかし、アルコール系ではしっかり消えてくれます。
曝気槽の表面が埋まるほどの泡があると、酸素の取込が悪くなり好気性生物の発生減少。⇒処理性の低下につながります。
そのため泡の対策は必須です。

では次に泡の種類はどれ?という疑問もわいてくると思います。
それは弊社の過去の記事「曝気槽の泡対策の改善効果と効果的だった資材」をご覧ください。

弊社はすぐに駆けつけ、現場調査、水質検査、ラボテストまでを無料でさせていただきます。

泡の問題でお困りのお客様いらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら
お急ぎの方は076-252-5507までお電話ください!

 

曝気槽で活躍する微生物とは?その種類と活動について

 2025/01/14   

明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。

代表の澤本悟博です。
年始に風邪をひき、久しぶりの発熱で唸っていました。
みなさまも、時節柄どうかご自愛ください。

さて、本日は日ごろ顕微鏡で観察している、曝気槽で活躍する微生物の活動について綴りたいと思います。

◎ロタリア(袋形動物 輪虫類 ヒルガタワムシ目 ヒルガタワムシ科)

良好時に出現する生物です。
但し、出現数、大きさ、動き方などによって良い方向性に向かうのか、悪い方向に向かうのか(バルキング状態)を判断しています。

低負荷時で過曝気状態の時に、大量発生する場合があります。
そんな時はBOD源の添加、空気量を下げるなどの対策が必要となります。

◎パラメシュウム(繊毛虫門ゾウリムシ目の原生動物)通称ゾウリムシ

中間生物と言われていますが、出現数が多いときは、負荷が高く空気不足であり、DO(溶存酸素)も0.1~0.7程度となっている現場が多くなります。
パラメシュウムが多く、曝気槽の状態も悪くなった場合は、臭気が発生することもあります。

◎スピリルム(スピリルム科の細菌でグラム陰性で螺旋状を呈する。通称らせん菌

負荷が高く、低DO環境で出現する。硫化水素が発生する環境下での出現も多い。
嫌気性の菌なので空気量を増量を行ったり、㏗調整も必要となってきます。

沈殿槽での透視度も3~5cm程度、沈降性もSV30-99~100%と悪くなり、沈殿槽の汚泥界面も高く、バルキング状態となっていることがあります。

また固定床などが曝気槽に組み込まれている場合、固定床が目詰まりし、嫌気状態となり発生することもあります。
その場合は硫化水素臭等が酷く、臭気対策が必要となります。
 

このようにして、出現微生物により曝気槽の状態を推測することができます。
また、適正な対策も行うことができます。空気不足であれば、ブロワーの増強、散気管の増設等、根本解決策も提案しています。

プラント適正能力検討に関するページはこちら

今後も微生物の写真や動画を載せていきます。(無断転載はお控えください)
次回もお楽しみにお待ちください!

お問い合わせもお気軽にお寄せください。
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自社設計の排水処理プラントの機器配置と配管工事検査

 2024/12/26   

こんにちは。野崎徹です。
先日、当社設計の排水処理施設の機器配置、配管工事が完了したので検査に行ってまいりました。



今回の機器配置配管工事協力会社は、施設工業株式会社様にご担当いただいております。
非常に丁寧な施工をしていただいただけでなく、設計段階から有益な情報を沢山いただきました。
25年来のお付き合いをさせていただいてる会社様ですが、丁寧さと頼もしさは常に進化されてるように感じます。
ありがとうございました。

施設工業様社長と施工メンバー


施設工業株式会社 増井社長よりコメント

新潟市で環境プラントに関する仕事をしている施設工業株式会社の増井と申します。
このたび新潟市内の食品工場において、株式会社澤本商事様の天城抗火石散水ろ床法の排水処理プラントが採用されまして、弊社は機械設備及び配管工事について施工させて頂きました。
25年以上前からお付き合いをさせて頂いており、主に新潟県内の民間工場において、抗火石処理プラントの導入や既設排水処理施設の機能診断ならびに改善提案を頂きながら一緒に仕事をさせてもらっています。
水処理を中心に食やエネルギーも含めた幅広い分野において、新たな価値をつくりだせるように今後ともご指導の程よろしくお願い致します。


施設工業株式会社様のウェブサイトが先日リニューアルされたばかりなので是非ご覧ください。
https://www.skk.ne.jp/


ここまで順調に施工が進み、残るは試運転となりました。
今後の更新もお楽しみに!

▼これまでの経緯ブログ
排水処理施設の3D図面作成(2024/6/20)
建設中の排水処理施設の躯体配筋検査(2024/10/7)
天城抗火石高速散水ろ床法の石入れ作業(2024/11/14)

▼天城抗火石高速散水ろ床法の詳細はこちら
天城抗火石高速散水ろ床法
環境技術実証事業(ETV事業)

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被災地支援の歩み – 福島から能登へ、続く支援の輪

 2024/12/26   

こんにちは。経理担当の澤本多日子です。

弊社は、東日本大震災をきっかけに、任意団体「ふくしまっ子チャレンジスクール実行委員会」の一員として、福島の子ども達の健康を守る保養活動を通して被災地支援活動に取り組んできました。
【公式】ふくしまっ子チャレンジスクール

2024年1月1日に発生した能登半島地震以降は、能登支援活動へと軸足を移し、引き続き支援を続けております。
活動の様子はFacebookページにて更新中ですので、ご覧いただけると幸いです。

12月1日(日)には、今年最後の支援活動として、断水が続いていた珠洲市馬緤(まつなぎ)・高屋地区へ物資支援をお届けしました。
併せて、クリスマスミニライブも開催いたしました。
能登半島地震発生からまもなく1年が経とうとしていますが、ようやく断水が解消した地域や、仮設住宅への入居が始まったばかりの方々もいらっしゃいます。

来年も引き続き、被災された方々のお声に耳を傾け、必要な支援をお届けできるよう活動を続けてまいります。
復興にはまだ多くの時間が必要な状況です。
これからも温かいご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。


珠洲市高屋地区にトイレ用凝固剤「YO-TASU」を寄付

輪島市門前町への物資支援



輪島市門前町への物資支援

珠洲市馬緤自主避難所での物資支援&災害ゴミ搬出



内灘町避難所への炊き出し

弊社倉庫にて物資支援準備



弊社事務所で支援ミーティング

排水処理のターボブロワーとは?SDGs・省エネ対策におすすめの理由

 2024/12/23   

こんにちは!営業の澤本剛希です。
風が冷たくなり、路面の凍結など本格的に冬が始まりました。
先日、ターボブロワーの立会検査を納入先お客様と一緒に行ってきましたので、その様子をお届けします。


納品前は、お客様と一緒に性能検査・機器寸法・動作確認を確認します。
お客様がメーカーと直接お会いし、その場で疑問点や動作についてのレクチャーを受けられるので、納入後の運転操作をよりスムーズに行うことが出来ます。

今回、荏原実業様のEJターボブロワーを納入しました。

<用途・特徴>
・水処理曝気(ばっき)用
・粉体移送用(セメント工場、その他粉体)
・発酵工程用
・製紙設備用

幅広い用途でご利用いただけます。圧縮空気中にオイルミストが全くないためクリーンエアが必要なプロセスでも安心です。
食品工場、化学工場、製紙工場まで、様々な場所でお使いいただいてます。

※引用元:荏原実業株式会社様EJターボブロワ

最近は、SDGsや省エネ関連の事業展開に関するご相談が多いですが、今回納入いたしました荏原実業様のEJターボブロワーは、まさにSDGsや省エネに沿った商品となっています。

また、排水処理プラントの老朽化に伴う、機器更新に差し掛かるお客様も増えています。
ブロワーは排水処理施設を運用する中でも、非常に重要な部分となります。
弊社は機器の運用方法や今後の更新についてのご相談にも無料で対応しております。
まずはお気軽にご相談ください!

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