日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

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気温の低下に要注意⛄

 2023/12/01   

今日から12月……早いもので、2023年も残すところひと月となってしまいました。
冬の訪れを実感するような寒さの日が続きますね。皆様も体調を崩されたりしないようお気を付けてお過ごしください。

また、この冷え込みに注意が必要なのは人間だけではなく、排水処理場の微生物たちも、寒くなるにつれ活性が低下し、処理水もその影響で水質が悪化しやすく、いっそう注意深い管理が必要になってきます。

汚泥が沈まない(沈降性悪化、バルキング現象)、汚泥が黒い、異臭がするなど、トラブルの兆候が現れた際は、本サイトにて対策の説明や事例の紹介など多数ありますのでぜひ参考になさってください。

また、無料相談もできますので、お困りの際はお気軽にご相談ください🙌

「天城抗火石散水ろ床方式」採用の新設排水処理施設完成

 2023/11/21   

こんにちは。澤本享宏です。

7月から工事していた弊社独自の「天城抗火石散水ろ床方式」を採用した、新設の排水処理施設が10月初旬に完成しました。

今回は地元石川県の乳業屋さんの工場新設に伴い、排水処理施設も新設することになりました。
その乳業屋さんの排水の詳細を紹介いたします。

計画水量:400㎥/D

BOD濃度:1000ppm

SS濃度:150ppm

COD濃度:240ppm

上記の数値をもとに以下の内容で設計いたしました。

散水ろ床槽:1槽あたり17㎥×4槽

循環槽:75㎥×4槽

散水ろ床法式を使うことで、BODは99%除去することが可能です。

また廃水中には、年々多糖類の流入が増しています。
多糖類の分解は限られた生物低分子時は糸状菌、高分子時は放線菌が優先種になる場合があります。

そこで弊社の散水ろ床で使う抗火石から溶出するSiO4(オルト珪酸)を利用する事により、この問題は解決可能です。

「天城抗火石散水ろ床方式」は環境省のETV事業でも実証されており、排水処理プラントの性能の実証実験を行った際には、次のことが実証されています。

  • 散水ろ床槽によるBODの濃度減少率は、定期試験で平均94.5%、日間水質水質試験で、夏季平均92.3%、冬季平均 91.7%であった。 また 、CODの濃度減少率は、定期試験で平均 85.1%、日間水質試験で夏季平均 80.3%、冬季平均 89.3%であった。
  • 放流水質濃度では、BOD、SSに おいて定期試験、日間水質試験ともに実証する性能を満たし、CODでは 冬季の定期試験を除き 概ね実証する性能を満たした。
  • 夏場の臭気もなく、冬場の気温が低下しても安定的な処理能力が実証された。

実証実験の詳細は弊社のウェブサイトをご覧ください。
環境省ETV実証事業「天城抗火石散水ろ床法」詳細はこちら

今回の新設工事を行ったお客様も、前工場では糸状菌・放線菌などが多く排水の安定化が出来ず悩んでいらっしゃいました。
糸状菌や放線菌はもちろん、水量・BOD・ノルヘキなどの負荷が増加し前処理を検討している等のお悩みがあり、処理方法をご検討されているのであれば、是非ご相談ください。

すぐに駆けつけ、現場でのお打ち合わせや負荷計算等行い、改善策をご提案させていただきます。

お問い合わせフォームはこちら

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販売店様との連携・サービス力向上について

 2023/11/21   

こんにちは、澤本商事の澤本剛希です。
石川県は、11月に入り冬に向けて気温も下がってまいりましたが、皆様は如何お過ごしでしょうか。

本日は、表題にもある通り、弊社販売店様との活動について少しお話していきたいと思います。

弊社には販売店様が地方各地にあり、その地方の排水現場を回ってお客様の排水状況を確認・調査させていただいております。
何か問題があればその場で解決、または弊社に汚泥を送って頂き、解決方法を一緒に模索しています。
また、弊社が現場にお伺いし、管理方法についてのアドバイスを一緒に行っています。

先日も弊社の販売店になって間もない販売店様から、「食品加工会社様の排水処理がうまくいっていない」との問い合わせがあり、現場に行き、3日間現場に張り付いて解決することが出来ました。

その際に問題になっていたのは、

①脱窒槽での脱窒がうまくいっていない

②C/Nバランスが崩れており、フロックが分散

③糸状菌が多く発生しており、フロックが沈まない

主な原因としてこの3点がありました。

この3点を解決するために、弊社は以下の3点のことを実施しました。

①BOD源として薬剤を投入し、脱窒槽への負荷を調整し、脱窒効率を上げる。

②フロックに重みをもたせる為、弊社資剤のBASEシリーズのBASE-7-SW投入。

③糸状菌を減らすため、薬剤を投入しPHを調整。

この結果、脱窒処理の効率アップに繋がり、フロックが大きくなり、糸状菌が減少しました。
当初汚泥界面20~30cm程度のものを、1週間後には1m程度、2週間後には1.5m~2m程度の汚泥界面まで改善することができ、お客様にも販売店様にもその場で弊社の運転技術・資剤効果を実感して頂けました。

それからは、工場排水を3㎥/Hしか処理できなかったものも、11~12㎥/H程度処理できるようになり、格段に効率もよくなりました。

弊社は、販売店様にも弊社と同じような技術力が身に付くまで現場同行・顕微鏡の見方・運転管理の仕方を現場で実践し、一緒に行っていくことで、販売店様と良好な関係を築いていけるように日々邁進しております。

このように、販売店様と連携しての活動を通じてお客様をサポートすることも多々あります。

排水処理場の困りごとは待ったなしです!

すぐに駆け付け、水質検査・現地調査・ラボテストまでを無料で実施しております。また対策資剤の選定も澤本商事で行っています。

お気軽にお問合せください。

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woodbeがグッドデザイン賞2023を受賞しました

 2023/10/31   

弊社の改質水を用いた、高速木材乾燥サービス「woodbe」が、グッドデザイン賞2023を受賞いたしました。
そして、10月25日にはグッドデザイン賞の発表会に参加してまいりました。


フルタニランバー古谷社長とご一緒に記念撮影

弊社は
『ディレクター:株式会社澤本商事 代表取締役 澤本悟博 / 株式会社大門システムズ 代表取締役 大門明夫』
として受賞いたしました。
デザインとは縁遠い会社でしたが、このような賞が頂けるとは光栄です。

デザインのポイントとして、以下の点を評価していただきました。

1. 木材の商品化サイクルを上げることで国産材のシェア拡大と 活用促進を図ること
2. 林業従事者の担い手不足と山林荒廃の回復を図ること
3. 持続可能な 循環型社会構築すること

 
天然乾燥で4~6ヶ月時間を要す乾燥が、woodbeでは人工乾燥により1~3週間で仕上げることが出来ます。
国産材の利用が高まり、林業の発展→森林の保全へとつながり、川、海の保全にもつながっていく事業となります。

ちなみに、今年のグッドデザイン賞では、地域課題解決として多くのテーマが受賞されていましたが、共生、共創、を通じてのビジネスモデルが冴えていたように見えました。
その中でも2023グッドデザイン大賞が素晴らしいので、こちらも是非ご覧ください。
2023グッドデザイン賞大賞「老人デイサービスセンター 52間の縁側」

<52間の縁側のポイント>
・制度に頼るのではなく、地域で助け合う共生型デイサービス。
・カフェや寺子屋、デイサービス、公衆浴場といった様々な人々が行き交う「まち」のような建築
・様々なアクセスのある地域と施設をつなぐ縁側。みんなで過ごす地域の縁側。誰もが佇める一人一人の縁側

 
 
なお、woodbeは実績も着実に伸びていますので、グッドデザイン賞の名に恥じぬよう、サービス向上に努めてまいります。

▼woodbeの詳細や弊社へのお問い合わせについては、以下のページをご覧ください。
https://www.sawamotoshoji.jp/woodbe/

▼woodbe公式サイトはこちら

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天城抗火石散水ろ床テストプラント設置

 2023/09/04   

9月に入り、ようやく朝夕が少し涼しくなってきましたね。
今年は水温が高くなりすぎて、生物処理のトラブルが多い夏となりました。

取引先のお客様で廃水処理の負荷増加の計画があり、前処理装置で天城抗火石散水ろ床が検討されています。
BODを70~80%削減し、現状の活性汚泥プラントを使用し処理を行う予定です。

お客様には弊社プラント導入先を見学していただきましたが、高濃度排水もあるため処理状況を確認したいとご依頼があり、テストプラントを設置いたしました。


10tユニック車でプラントを運び、組立設置を行います。
設置は半日あれば完了です。
設置後原水を投入し、まずは1週間種付けを行い、2週間目~本格テストになります。

1~4槽あり、各槽の分析を行えば、容積負荷が何kg/㎥で、BOD除去率がどの程度か結果が出せます。
したがって、必要量のろ材、循環槽の容積が算出できることになります。

例:前処理であればBOD2000mg/l 、容積負荷5~6㎏/㎥→≒60~85%処理可能です。

テスト期間はお客様によって様々ですが、1~3ヶ月となります。

前処理、高濃度処理等お考えで現場で処理状況を確認ご希望であればテストプラントを活用してください。
BOD濃度500~500,000mg/lまでテスト可能です。

※運送費・設置費の実費はご負担いただいておりますので、ご了承ください。

ご質問・お問い合わせは、お気軽にお寄せください。
お問い合わせフォームはこちら

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