日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

油脂分解・分離対策

曝気槽・沈殿槽での油分固着の改善結果

 2024/03/13   

こんにちは!澤本享宏です。

先日投稿した「曝気槽・沈殿槽での油分固着はこれで解決!」記事の、その後の改善結果です。
改善結果は数値にもはっきりと現れていました。

分析項目 投入前 投入の2週間後 投入の1ヶ月半後
BOD 51 25 4.2 ※1
SS 90 19 27 ※2
透視度 9 30 30
SV30 100 97 96
粘度 50.7 25.7 22.0

※1・・・BODの放流基準は25mg/lです。
※2・・・SSの放流基準は90mg/lです。

全項目で資剤投入前より改善しており、特にBODとSSは大幅に改善しました。

顕微鏡で様子を見てみました。

資剤投入前の汚泥フロック

↑投入前の汚泥フロック。

 

資剤投入後の汚泥フロック

↑投入後の汚泥フロック。

フロックにも厚密性が出てきて、好気性生物が発生していました。

担当者様からも非常に嬉しいお言葉をいただきました。

「資材を投入してから沈殿槽での油の固着の浮きがなくなりました。
そのおかげで今までホースの水でたたいていた作業もなくなり、楽になりました。
臭いも改善されて嬉しいです。」

お客様からの感謝の言葉は非常に嬉しいですし、活力にもつながります!

排水処理場での「油分固着」「臭い」の困りごとは待ったなし!
すぐに駆けつけ、現場調査、水質検査、ラボテストまでを無料でさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。

水質検査や現場検査などのお問い合わせはこちら

タグ: , , , ,

曝気槽・沈殿槽での油分固着はこれで解決!

 2024/01/24   

こんにちは、澤本享宏です。

先日、あるペットフードの会社様から「油分の固着に困っている」と、お問い合わせをいただきました。
現場に訪問したところ、曝気槽だけでなく、沈殿槽でも油の塊が固着している状態でした。

沈殿槽で油が固着

↑沈殿槽の様子

実際に顕微鏡を見たところ、油分が残留し放線菌も発生していました。

油分残留の様子(顕微鏡)

↑油分残留の様子(顕微鏡)

放線菌の様子(顕微鏡)

↑放線菌の様子(顕微鏡)

まずは油の分解が急務でしたので、弊社の油脂分解材のSANA-油トールBを使用しました。

SANA-油トールB

SANA-油トールB

油トールBを投入してから曝気槽で油の分解がかかり、沈殿槽で油が浮くことがなくなりました。

油トールB

↑油トールB投入後の沈殿槽

上記のように、油脂分解には油トールBは効果てきめんです。

排水処理場の困りごとは待ったなし!
すぐに駆けつけ、現場調査、水質検査、ラボテストまでを無料でさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。

排水処理の水質検査

水質検査や現場検査などのお問い合わせはこちら

タグ: , , , , ,

曝気槽の泡対策の改善結果と効果的だった資剤

 2023/12/08   

こんにちは。澤本享宏です。

先日、弊社ウェブサイトからお問い合わせをいただいたお客様のところへ訪問してきました。

お問い合わせの内容は「曝気槽の泡がすごいので何とかしたい」というご相談でした。
お電話にて詳細をうかがうと、「泡がひどいときには曝気槽からあふれるほど発生する」とのことでした。

実際に現場に訪問した時には、当ブログ「曝気槽の泡」記事と同様の、ムース上の泡が発生していました。

▼曝気槽にムース状の泡が発生している様子

曝気槽のムース状の泡
気槽のムース状の泡

放線菌

▼分散汚泥フロック
分散汚泥フロック
▼放線菌汚泥
放線菌汚泥



やはり放線菌の繁殖が原因でした。
放線菌汚泥もできており、フロックも分散していました。

放線菌は油分(動植物油)が多いときに発生します。

また放線菌がミコール酸(油脂分)を出しムース状の発泡となります。

沈殿槽の水面にも増加し透視度が悪くなり、沈降性も悪化します。

今回の事象での弊社の対策は、以下の3点を重点的に対策いたしました。

①ph
②油脂分解
③C/Nバランス調整

曝気槽内環境を変えるだけで放線菌は減少します。それに伴い、泡も減少します。

上記の対策の油脂分解剤で使用したのはSANA-油トールBです。
澤本商事オリジナル特注品の、油脂分解の前処理剤です。
曝気槽のn-Hex減少の効果があります。
グリストラップから大規模排水処理場まで、対応可能です。

▼SANA-油トールB

C/Nバランス調整に使用したのはSANA-N改1-SWです。
油脂や粘質が多い原水で曝気槽に粘性が発生したときや、BOD負荷が高い場合の栄養バランス調整剤です。

▼SANA-N改1-SW

これらを投入した2週間後には泡も減少し、放線菌もいなくなっていました。
▼改善後の曝気槽の様子



上記のように油脂分解には油トールBは効果てきめんです。

排水処理場の困りごとは待ったなし!
すぐに駆けつけ、現場調査、水質検査、ラボテストまでを無料でさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら

タグ: , , , ,

油脂分解・油脂分離に欠かせないバクテリアの活性化

 2022/10/18   

10月も中頃となり、排水処理場の水温も20~26℃と低下し始めています。

この時期の排水処理場の特徴として

【1】朝、昼、夜の温度変化も大きく、皆さんのカラダと同じように微生物も体調を崩しやすい状態となります。

▼フロック解体の様子
フロック解体

【2】油脂分が多い排水では油分が塊り分解が遅れてしまい放線菌が発生し汚泥の沈降性が悪化してきます。

▼油分粒
油分粒

▼放線菌
放線菌

【3】糖分が多い排水では糸状菌が繁殖し粘性を増加させ沈降性不良となります。

 

そこで、澤本商事では、バクテリア活性不良の根本的対策をお伝えしています。
秋から冬の油脂分対策についてお困りの方は、ぜひ以下のページにて詳細をご覧ください。

バクテリア活性化不良対策について

 

季節に合わせた微生物の活性化で油脂分解を促進しませんか?
澤本商事では、水質検査やラボテストを無料で行っています。
お問い合わせはお気軽にどうぞ!

お問い合わせフォームはこちら

排水処理場でのトラブル相談「粘性増加」について

 2022/09/29   

先日食品加工業のお客様で、沈殿槽の代わりに膜を入れて処理しているお客様からご相談がありました。

「粘性が増加し膜処理の水量が減少し、膜洗浄を2回/月も行っている(通常は5~6か月/回)。何とか粘性を低下させる方法がないか?」
とのご相談でした。

原因を考えてみると、以下によることが推測できます。

季節の変わり目、排水処理場の微生物も変わり目となります。

①まずは夏から秋へと商品変更があります。(例:鍋物が多くなり練り製品が多くなるなど)

それによってBOD、COD、油分などの負荷が高くなることが多くなります。

②水温の変化→秋になることで水温が低下します。

それによって微生物の活性が低下しやすくなります。

③ ▼①②の結果によりフロック分散

▼糸状菌が増加

粘性が増加 → 沈降性不良 → 膜処理の場合は処理能力低下(水量低下)
※沈殿槽の場合は最悪は汚泥流出となります。

顕微鏡観察をすると、やはり糸状菌が多くなり粘性バルキング状態でした。

▼糸状菌が多く、粘性バルキング状態

また油分の負荷も増加し空気不足となり生物相も嫌気気味となっていました。
▼桿菌・球菌が増加している状態

 

【対策:糸状菌を減少させる方法】

①空気量増量

②phの適正値への調整

③油脂分解剤の添加

④微生物活性の栄養剤の添加

⑤返送量の調整

2週間後には粘性低下 260cp → 120cp

大きな汚泥フロック形成 → 糸状菌弱体化

となりました。

適性な対策を行うと1~2週間で改善致します。

 

排水処理場でお困りの症状がございましたら、ご相談ください。対策方法をご提案いたします。

お問い合わせフォームはこちら

タグ: , , , , , , , , ,