日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

澤本悟博の記事一覧

春の陽気と、臭気対策

 2025/04/10   

金沢市の桜も満開となり、珍しく満開を維持しています。

本日も21℃まで気温が上がり春らしい日が続いています。

花粉症の方ももう少しの辛抱ですね。

桜の時期は飲み会が多くなっている代表の澤本悟博です。

 

気温が15℃以上になってくるこの時期のお困りごと、
「臭気」のお問い合わせが多くなります。
ごみ焼却場や、し尿処理場、合併浄化槽、畜産排水、産業排水等
、様々です。

脱臭剤のタイプ

空間のマスキングタイプ → 液体

臭気発生源の汚水に直接添加し吸着分解するタイプ → 液体・粉体

などがあります。

臭気のタイプ

  • 腐った玉ねぎ臭は ➡ メチルメルカプタン(舌噛みそうですね)
    例:油分が多いところの臭気
  • 腐った卵臭 ➡ 硫化水素(pHの低い温泉の臭気)
    例:pHが低く硫黄成分が含まれるところの臭気
  • ツンとくる刺激臭 + 目に沁みるような刺激臭 ➡ アンモニア臭
    例:し尿や下水の臭気

悪臭による人体・物への被害

  • 具合が悪くなり、その場にいられない。
  • 眼や鼻の粘膜が痛む。
  • 広範囲(半径300m)で臭気がする。
  • 金属部分の腐食が多い。
  • 電気の制御盤が腐食する。
  • 鉄・ステンレスが錆びる。
  • 腐食した設備の修繕や取替にコストがかかる。

悪臭は即時解消が望ましいです。

臭気対策の一例をご紹介いたします。

産業排水処理施設の悪臭発生地点とSANA資剤投入箇所のポイント

産業排水処理施設の悪臭発生地点とSANA資剤投入箇所のポイント

使用薬剤

スメロンラックDL

スメロンラックDL

スメロンラックVL

スメロンラックVL

液体タイプDL-Nをタンク投入 → 定量ポンプで臭気発生個所へ点滴
液体タイプDL-Nでアンモニア、硫化水素の複合臭を脱臭

液体タイプDL-Nをタンク投入 → 定量ポンプで臭気発生個所へ点滴

硫化水素臭 + メチルメルカプタン = 複合臭を脱臭

機器設置・試運転工事もいたします。

臭気対策後の分析結果

臭気対策後の分析結果

原水:硫化水素 80ppm → DL-N添加後:不検出
原水:メチルメルカプタン 1.0ppm → DL-N添加後:不検出

と脱臭出来ました。

現場に駆けつけ対応いたします。
臭気分析も無料でいたします。

臭気・悪臭の分析、微生物観察、資剤の提案の流れ

臭気・悪臭の分析、微生物観察、資剤の提案の流れ

最短当日無料で調査&ご提案

臭気対策については下記からお申込みください。

し尿処理施設の臭気・悪臭対策

タグ: , , , ,

日本で唯一の「天城抗火石を活用した排水処理技術」を 国内最大級の業務用専門展「ファベックス」に出展

 2025/04/01   

4月に入りました。新年度の始まりです。

金沢市の最高気温10℃と寒い日が続いています。

排水処理の微生物には季節変動が激しく辛い季節となっています。

代表の澤本悟博です。

 

4/15(火)~17日(木)

天城抗火石を活用した排水処理技術」を 国内最大級の業務用専門展「ファベックス」に出展いたします。

今回は三谷産業㈱と共同出店となります。

三谷産業㈱ケミカル事業部とSANA資剤での協業を皮切りに、排水処理のプラント受注もいたしました。

排水プラント事業の次なる展開のため今回の出展となっています。

三谷産業㈱プレスリリース

天城抗火石を活用した排水処理技術の大きな3つのメリット

メリット1環境負荷の低減

天城抗火石を活用して有機性排水の処理を行うことで、公共用水域への環境負荷を低減させることができます。処理過程で発生する余剰汚泥は、活性汚泥法に比べ5分の1~10分の1ほど削減可能です。
環境省の環境技術実証事業により効果が確認されました。
環境省ETV実証事業「天城抗火石散水ろ床法」詳細はこちら

メリット2コストの削減

工期が短く初期費用が抑えられ、運転時の消費エネルギーも低く、設備の入れ替え工事も不要なため維持費が安価です。また、糸状菌・放線菌の発生が少ないため、水質処理効果が安定しており、余剰汚泥が低減することで汚泥処理コストの削減も期待できます。

メリット3狭い範囲で設置可能

既存の排水処理設備に追加する形で導入でき、コンパクトに設置できます。

※天城抗火石を用いた散水濾(ろ)床装置(左) 排水が天城抗火石の中を循環し、微生物の力で浄化されます。(右)

イベント情報

本出展ブースでは、澤本商事の技術担当者によるデモ機を使ったご紹介をいたします。

イベント名
第28回 ファベックス2025(日本食糧新聞社主催)
日時
2025年4月15日(火)〜17日(木)10:00 〜17:00
会場
東京ビックサイト 東2ホール
参加費
5,000 円(税込)※招待券持参、事前来場登録は無料
Webサイト
https://www.fabex.jp/index.html

天城抗火石、展示デモ機等でご説明いたします。

弊社と三谷産業は、天城抗火石を用いた排水処理技術を広く提供していくことで、

環境負荷低減をはじめとする排水処理の課題解決に貢献してまいります。

ご来場お待ちしています。

天城抗火石散水ろ床法の詳細はこちら

お問い合わせフォームはこちら

タグ: , , , , , , , , ,

チェコの水処理事情は?!水と文明の関係を探る

 2025/03/17   

みなさん、こんにちは。澤本悟博です。
現在、東欧ハンガリー → スロバキア → チェコ → オーストリアの視察に来ています。

チェコの首都プラハには街の中に河が流ています。
日本では「モルダウ川(ドイツ語)」として知られています。
プラハの中心部を南北に流れている川で、チェコ国内最長の川とのことです。

プラハ市内では旧市街とプラハ城の間を流れ、有名なカレル橋がかかっています。
フランツ・カフカ博物館近くの川のほとりでカレル橋とヴルタヴァ川が一望できます。
下流にはドイツのドレスデン → ベルリンまで繋がっています。

国と国を繋ぐ川は重要な交通手段であり、航路での荷物、人の移動に使用され、大陸を縦断するには川は大切な資源となっています。
そのためなのか市内のトイレも綺麗に使用されて、街並みもゴミが少なく綺麗です。
当然のように排水規制も厳しく、汚水は流せない!
一国の汚染流出のために何カ国も被害に遭ってしまうからです。
工場や畜産関係の処理施設は日本と同じように活性汚泥法が多いようです。
気候も雪は少ないのですが、乾燥して寒く、夏は33~35℃と暑く、東北の太平洋側の気候と似ています。
季節変動も大きいことから、管理は容易ではないと推測されます。
次回は顕微鏡で微生物観察してみたいものです。

生活用水として、水道水は軟水器を通しているようですが、飲水は各家庭にウォーターサーバーを使用しているようです。
プラハの水道水を採水してきましたので、分析を行って、成分や水の法則性等を調べてみます。

水のあるところ文明は栄えます。
水を大切にする文化は日本とも共通ですね。

弊社では、環境保護・コストダウン・持続可能な未来への観点から、事業に利用する「水」そのものの見直しとご提案をしております。
浄水・水道水などの一般の水を、「改質水(SW1水)」という微細分子で活発な状態の水に変化させ、排水処理だけでなく、農業、飲食店、金属加工工場、食品加工工場など様々な業種の現場で活用していただいています。
「改質水ってなに?」と思われた方、ぜひ以下のページをご覧ください!

浄水から改質水へ(天城抗火石・改質水導入方法)

タグ: , ,

曝気槽で活躍する微生物とは?その種類と活動についてPart-2

 2025/02/17   

みなさん、こんにちは。代表の澤本悟博です。
先週の金沢は、積雪で(3日間で40cm)、久しぶりに除雪車が活躍してくれました。
人力で行うよりも3倍は早いです。
会社にとっては必要なアイテムとなりました。

さて、今回は2025年1月14日の記事「曝気槽で活躍する微生物とは?その種類と活動について」の続きです。
Part-2として、微生物の動画を載せていきます。

 

◎ボルティセラ



分類:原生動物 繊毛虫類 縁毛目
形態:釣鐘形(ツリガネムシとも呼ばれます)
大きさ:35~120㎛程度

尾部にミオネーム(筋糸)入りの柄を持ち、基質に固着して生活します。
数が多い場合は空気量が豊富で活性汚泥が良好な時に出現します。
そんな時は透視度もよく、処理水質も良好となります。

お客様からも「ボルティセラが出現すると調子がいいよ!」と言われますが、実は下記のような場合があります。

数が少なく糸状菌と一緒に出現する。
それは、有機体窒素源が不足している時です!
フロックも解体気味で、空気量も不足気味な時となります。
まずできることは、㏗、SV30、粘性、汚泥界面などの確認です。
汚泥界面が高い場合には栄養剤の増量が必要になる場合があります。

また、沈殿槽が透き通るように透明の場合は危険です!(覚えておいて損はない)

それはなぜか?

糸状菌による沈殿槽でのろ過性能が増し、透明になっているのです。
そんな場合は曝気槽の汚泥の色も白っぽい場合があります。

汚泥の色が映って水面が透明に見えるのです。

「昨日までは汚泥界面も低く、透視度もよかったのに、朝来たらバルキング⁉」

そう、糸状菌バルキングです😢

糸状菌のことは今まで何度も載せていますのでこちらの記事を参考にしてください。

油脂分解・バルキング対策・臭気対策

通常良好生物と言われている「ボルティセラ」ですが、実は糸状菌と仲が良く、管理者の判断を混乱させる場合があります。

顕微鏡の観方からアドバイスいたします。
バルキング対策でお困りの方は以下からお問い合わせください。
敏速に対応いたします。

よくあるバルキングの原因と対策事例はこちら

お問い合わせフォームはこちら

お急ぎの方は076-252-5507までお電話ください。

タグ: , , ,

曝気槽で活躍する微生物とは?その種類と活動について

 2025/01/14   

明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします。

代表の澤本悟博です。
年始に風邪をひき、久しぶりの発熱で唸っていました。
みなさまも、時節柄どうかご自愛ください。

さて、本日は日ごろ顕微鏡で観察している、曝気槽で活躍する微生物の活動について綴りたいと思います。

◎ロタリア(袋形動物 輪虫類 ヒルガタワムシ目 ヒルガタワムシ科)

良好時に出現する生物です。
但し、出現数、大きさ、動き方などによって良い方向性に向かうのか、悪い方向に向かうのか(バルキング状態)を判断しています。

低負荷時で過曝気状態の時に、大量発生する場合があります。
そんな時はBOD源の添加、空気量を下げるなどの対策が必要となります。

◎パラメシュウム(繊毛虫門ゾウリムシ目の原生動物)通称ゾウリムシ

中間生物と言われていますが、出現数が多いときは、負荷が高く空気不足であり、DO(溶存酸素)も0.1~0.7程度となっている現場が多くなります。
パラメシュウムが多く、曝気槽の状態も悪くなった場合は、臭気が発生することもあります。

◎スピリルム(スピリルム科の細菌でグラム陰性で螺旋状を呈する。通称らせん菌

負荷が高く、低DO環境で出現する。硫化水素が発生する環境下での出現も多い。
嫌気性の菌なので空気量を増量を行ったり、㏗調整も必要となってきます。

沈殿槽での透視度も3~5cm程度、沈降性もSV30-99~100%と悪くなり、沈殿槽の汚泥界面も高く、バルキング状態となっていることがあります。

また固定床などが曝気槽に組み込まれている場合、固定床が目詰まりし、嫌気状態となり発生することもあります。
その場合は硫化水素臭等が酷く、臭気対策が必要となります。
 

このようにして、出現微生物により曝気槽の状態を推測することができます。
また、適正な対策も行うことができます。空気不足であれば、ブロワーの増強、散気管の増設等、根本解決策も提案しています。

プラント適正能力検討に関するページはこちら

今後も微生物の写真や動画を載せていきます。(無断転載はお控えください)
次回もお楽しみにお待ちください!

お問い合わせもお気軽にお寄せください。
お問い合わせフォームはこちら

タグ: , , , , , , , , , , ,