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【現場レポート】食品工場の排水処理、微生物の定期健診に密着

【現場レポート】食品工場の排水処理、微生物の定期健診に密着

 2025/09/12   

こんにちは。株式会社澤本商事の代表、澤本です。

本日は、富山県にある食品工場へ、排水処理施設の微生物定期検査に伺った際の様子をレポートします。

大きなトラブルが起きてから対処するのではなく、定期的な「健康診断」で設備の安定稼働を維持すること。トラブル防止対策も大切な仕事の一つです。

現場で実施する、多角的な水質チェック

まずは現場で、排水処理が正常に機能しているか、様々な角度から数値を測定し、状態を目視で確認します。

沈殿槽の検査の様子

沈殿槽では、処理水の透明度を示す「透視度」や「汚泥界面」、そして「pH」を測定。ここで、固液分離がうまくいっているかを大まかに判断します。

放流水の検査の様子

次に放流水。こちらでは「COD」や「窒素成分」を測定し、最終的な水質が基準を満たしているかを確認します。

曝気槽の検査の様子
曝気槽の実際の様子

そして、処理の心臓部である曝気槽では、「SV値(汚泥沈降率)」や「酸素濃度」「汚泥濃度」を測定し、泡の状態なども含めて総合的に診断します。

ひと通りの現場確認を終え、お客様に現状をご報告し、今後の対策について簡単な打ち合わせをして現場を離れました。

顕微鏡が語る、微生物たちの”いま”

今回はお客様のご都合で、現場で顕微鏡を覗く時間がなかったため、サンプルを会社に持ち帰り、じっくりと観察を行いました。

顕微鏡での汚泥観察の様子

顕微鏡で見てみると、現場の測定値だけでは分からない、微生物たちのリアルな姿が浮かび上がってきます。

少し油分の負荷が高かったのでしょうか、糸状菌がやや多く見られます。
また、空気量が不足し原生動物などの良好生物が見当たりませんでした。それ以上にアメーバの仲間が多く見られました。

アメーバは汚泥の解体を促進してしまうため、あまり多くない方が望ましい状態です。

診断とご提案:安定稼働を維持するために

これらの観察結果から、「全体的には安定しているものの、少しバランスが崩れ始めている兆候がある」と診断しました。

対策として、今回は油脂分解剤「SANA-油トールB」の添加量を少し増やし、分解を促進。これにより酸素が吸収されやすい環境をつくり、しっかりとしたフロック形成を促すことになりました。

現場担当者様へのアドバイス

また、現場ではご担当者様に、日々の管理で特に意識していただきたいポイントとして、以下の3点をお伝えしました。

  • 数値管理を徹底して行う。
  • その数値に基づいた資剤添加量、空気量の調整を行う。
  • 数値以外の五感による確認(臭気、曝気槽の色、泡や撹拌の状態)も毎日行う。

この3点を毎日続けるだけで、3ヶ月後にはご担当者のレベルアップを実感できるはずです。

さらに興味を持って顕微鏡観察まで毎日行うようになれば、3ヶ月後には社内で一番の排水管理者になれます!

排水処理の緊急対応、ご相談承ります!

見えない微生物との対話には、「数値」という客観的なデータと、「目視」という五感で感じる変化の両方が不可欠です。

定期的な現場確認と顕微鏡レベルでの詳細な分析を組み合わせることで、大きなトラブルが発生する前の「予兆」を捉え、

先手を打って対策を講じることができます。

排水処理施設の安定稼働や、日々の管理でお困りのことがありましたら、澤本商事にご相談ください。

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