9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きますね。
9月1日、高山市のトマト栽培農家様へ、3回目となる定期訪問に伺いました。
前回のレポートから約1ヶ月、SANA資剤と本格導入された改質水がトマトの生育にどのような影響を与えているのか。今回は、見た目だけでなく、「味」「収量」「細胞レベルの変化」そして「水質の変化」まで、多角的にその効果を検証します。
SANA資剤の有無による生育状況の比較
まずは、資材を使用しているハウスと、使用していないハウスの比較です。
【資材使用ハウスの状況】
葉が小さく、トマトの玉が見えやすい状態となっています。葉の色も病気に強い淡い緑色です。目にも優しいですね。8月3日に資材を追肥してから液肥での追肥はありませんが、元気があり伸びも良い状態です。


【資材未使用ハウスの状況】
葉が大きく茂り、玉が見えにくい状態です。液肥(NPK入り)の追肥を10日に一度されています。


5つの比較結果で見る、驚きの違い
両ハウスで収穫されたトマトなどを比較したところ、驚くべき5つの違いが明確になりました。
結果1細胞がしっかりしていて、切っても水が垂れない
SANA資材で育ったトマトは、細胞がしっかりしているため、水持ちがよく、包丁で切っても水分がほとんどまな板に滴り落ちません。これはミニトマトでも同様でした。



結果2酸味、甘味があり美味しい(未使用ハウスはえぐみがある)
味も濃厚で、農家さんからも高い評価をいただいています。
結果3葉っぱまで美味しい
最も衝撃的だったのが「葉っぱ」の味です。好奇心から両方の葉を食べ比べてみたところ、資材使用ハウスの葉はトマトのような酸味と甘みがあり美味しいのに対し、未使用ハウスの葉はえぐみが非常に強く、食べた後に喉がイガイガしました。
この「えぐみ」の正体は、植物が過剰な窒素(液肥)を消化しきれずに溜め込んでしまった硝酸態窒素です。SANA資材を使った土づくりによって、植物が栄養をバランス良く吸収していることが証明されました。
結果4尻腐れ病が全くない
資材使用ハウスでは、カルシウム欠乏が原因で発生する「尻腐れ病」が全く見られませんでした。
結果5A級品の割合が95%と、歩留まりが非常に良い
資材使用ハウスのトマトは品質が安定しており、A級品の割合が95%に達しています。一方、未使用ハウスは70%に留まっています。
顕微鏡で見る「おいしさ」の秘密
この驚きの違いはどこから来るのか。トマトの皮の細胞を顕微鏡で観察しました。
【中玉トマト皮の細胞写真】



細胞一つひとつがしっかりしているのが分かります。
【ミニトマト皮の細胞写真】


細胞が細かく、一つひとつがしっかりしています。これが、保水性が高く、味の濃い果肉を作り出しているのです。
「改質水」がもたらす水質の変化
8月から本格的に使用を開始した改質水の水質も分析しました。

【水質検査データ】
pH | DO(ppm) | ORP(mv) | ミネラル分散力(μm) | |
---|---|---|---|---|
原水井戸水 | 8.1 | 2.9 | 175 | 83 |
改質水8月3日 | 7.8 | 3.8 | 238 | 175 |
改質水9月1日 | 8.9 | 7.0 | 210 | 330 |
9月1日のデータでは、雨の影響でpHが上昇していますが、DO(溶存酸素)は7.0ppmと非常に高い値を示しました。また、ミネラルの分散力も大幅に向上しています。
さらに、新たに導入したゼータ電位計で測定したところ、-36.9mvという高いマイナス電位が確認できました。(金沢市の水道水で-5〜-15mv)
※ゼータ電位の絶対値が大きいほど、粒子(ミネラルなど)が水中で安定して分散していることを示し、植物への吸収率が高まります。
農家さんからも「改質水を使い始めてから、根張りが良く、葉も瑞々しいように見える」との感想をいただいています。
まとめ
SANA資材と改質水の相乗効果で、生育状態、味、収量、そして細胞レベルに至るまで、素晴らしい結果が出ています。
今回は若手社員も同行し、農業の奥深さを体験する貴重な機会となりました。
澤本商事は、長年培ってきた排水処理の技術や水質分析の知見を、農業分野にも応用しています。
今回ご紹介したように、土壌の微生物バランスを整える「SANA資剤」と、水の力を最大限に引き出す「改質水」を組み合わせることで、作物の味や収量を根本から改善するお手伝いができます。
「土壌分析から、うちの畑に最適な資剤を提案してほしい」「作物の品質をもう一段階アップさせたい」といったご要望がございましたら、ぜひ一度、土と水のプロにご相談ください。