日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

水質改善

【排水処理改善事例】食品工場の既存施設を活かした能力増強計画(天城抗火石散水ろ床法)

 2025/05/20   

おはようございます。野崎徹です。

先日、東北地方にある食品工場へお伺いしました。こちらの工場では、当社の排水処理技術をご採用いただいています。

長年稼働する排水処理施設の現状と増強のご要望

訪問させていただいた工場には、当社が設計・施工を手掛けた天城抗火石(あまぎこうかせき)高速散水ろ床法による排水処理施設が導入されており、稼働開始から10年以上が経過しています。
近年、工場の業績が大変好調でいらっしゃるとのことで、それに伴い排水処理にかかる負荷も完成時より大きく増加しました。そのため、「現状の処理能力では対応が難しくなってきたため、処理能力を増強したい」とのご相談をいただいた次第です。

限られたスペース内での増強:現地調査と検討ポイント

特に今回は、現在施設が設置されているスペース内での改造をご希望とのことでした。 排水処理施設は、工場の敷地内の限られた一角に設置されていることも多く、能力増強や増設の際にはスペースの制約が課題となることが少なくありません

現地では、まず担当者の方と細部にわたり協議を重ね、当社よりいくつかの改善方法についてご提案させていただきました。 その上で、現在の機器の配置や使用状況を丹念に確認いたしました。

10年以上安定して稼働を続けている施設ですが、増強にあたっては既存の設備を最大限に活かすことが重要です。

限られたスペースの中で、どのように効率的な能力向上が図れるか、配管ルートや機器の干渉なども念入りに調査し、今後の改造計画に必要な寸法や情報を収集いたしました。

既存の配管や機器の状態も詳細に調査することで、より現実的で効果の高い計画を立てることができます

最小限の改造で効果を最大化する設計へ

これらの現地調査結果とお客様との協議内容を踏まえ、社に持ち帰り図面の作成を進めさせていただきました。
今回の計画では、既存の施設を最大限に活用し、最小限の改造で効果的な処理能力の増強が実現できる見込みで、そのように設計できたかと自負しております。

既存設備の有効活用は当社の得意分野です

多くの工場では、排水処理施設は敷地内の限られたスペースに設置されています。そのため、能力増強や増設をご検討される際には、このスペースの制約が大きな課題となることが少なくありません。 当社では、新設や大規模な増設のご提案はもとより、お客様がお持ちの既存施設を最大限に活用し、現在の運転状況や将来の事業計画に合わせて処理能力を向上させる方法を得意としております。スペースに制約がある場合でも、様々な角度から検討し、最適な解決策を見つけ出すことを常に心がけております。

お客様の事業の発展に貢献できるよう、これからも現場の状況に合わせた最適なご提案を続けてまいります。

排水処理のお困りごとは、まずご相談ください

排水処理施設の増強や改善、日常の運用管理に関するお悩み、あるいは「うちの工場もスペースが限られているが、何とかならないか」といったご相談など、どのようなことでもお気軽にお声がけください。
弊社では、お客様の状況を正確に把握し最適な解決策をご提案するため、以下の初期対応を無料で実施しております。

  • 現場への迅速な訪問・状況調査
  • 水質検査・分析
  • 改善に向けたご提案・必要に応じたラボテスト

お問い合わせは、下記のフォームまたはお電話にて心よりお待ちしております。

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調整槽のオイルボールに「SANA-油トールB」で4日間で消滅!

 2025/05/09   

こんにちは。
澤本商事の澤本享宏です。

金沢は5月に入り、ようやく暑くなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、先日お客様から「製造トラブルで油分の高い排水が大量に流入してしまった」と緊急のご連絡をいただきました。

すぐに現場に駆け付けてみると、そこには白い塊、いわゆる「オイルボール」が調整槽に多数発生している状態でした。

調整槽のオイルボール① 

調整槽のオイルボール②(すくったもの)

写真からもお分かりいただけるように、油分濃度が非常に高い排水が相当量流入したことが明らかでした。このままでは生物処理に大きな負荷がかかり、処理機能全体が停止してしまう可能性もある危険な状態です。

オイルボール対策の切り札!
油脂分解剤「SANA-油トールB」を投入

このオイルボールの処理のために、弊社の油脂分解材のSANA-油トールBを使用して分解処理を行いました。

SANA-油トールB

わずか4日間でオイルボール消滅!処理も安定化

調整槽の様子

SANA-油トールB」は、排水中の油脂分を効率的に分解し、ノルマルヘキサン抽出物質(油分の指標)を低減させる効果があります。

その結果、投入後わずか約4日間で、調整槽内にあれほど大量に発生していたオイルボールは、すっかり消滅しました
オイルボールがなくなったことで、生物処理への負荷が軽減され、微生物の活動(生物相)も改善。排水処理全体が安定化へと向かいました。
改めて、油脂分解における「SANA-油トールB」の即効性と効果の高さを実感する結果となりました。

排水処理の「困った!」は澤本商事へご相談ください

  • 製造トラブルで突発的に高濃度の排水が出た!
  • 調整槽に油が浮いて処理が不安定
  • オイルボールが発生して困っている

このような排水処理場の油トラブルは、まさに待ったなしです!
放置しておくと、処理機能の低下だけでなく、最悪の場合、処理場全体の機能停止や、放流基準値の超過といった深刻な事態を招きかねません。

どうぞお気軽にお問い合わせください。

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弊社の「天城抗火石高速散水ろ床法」を導入して1年。安定稼働中!

 2025/04/11   

こんにちは。澤本享宏です。

こちらの記事(https://www.sawamotoshoji.jp/blog/1348/)でご紹介した設備が完成し、2024年2月に本格稼働を開始しました。

そこから1年が経ち、問題なく安定稼働を続けています。原水の水質などの詳細につきましては、上記の記事をご確認ください。毎月実施している処理水の水質分析も、問題ない結果となっています。

お客様からもご満足の声をいただいております。

沈殿槽の写真

散水ろ床の様子

排水処理施設全体

そして今回、この天城抗火石高速散水ろ床法」を 国内最大級の業務用専門展「ファベックス」に出展いたします。

開催日程は4月15日(火)~17日(木)です。

今回は三谷産業(株)と共同出店となります。

三谷産業㈱ケミカル事業部とSANA資剤での協業を皮切りに、排水処理のプラント受注もいたしました。

排水プラント事業の次なる展開のため今回の出展となっています。

三谷産業㈱プレスリリース

天城抗火石を活用した排水処理技術の大きな3つのメリット

メリット1環境負荷の低減

天城抗火石を活用して有機性排水の処理を行うことで、公共用水域への環境負荷を低減させることができます。処理過程で発生する余剰汚泥は、活性汚泥法に比べ5分の1~10分の1ほど削減可能です。
環境省の環境技術実証事業により効果が確認されました。
環境省ETV実証事業「天城抗火石散水ろ床法」詳細はこちら

メリット2コストの削減

工期が短く初期費用が抑えられ、運転時の消費エネルギーも低く、設備の入れ替え工事も不要なため維持費が安価です。また、糸状菌・放線菌の発生が少ないため、水質処理効果が安定しており、余剰汚泥が低減することで汚泥処理コストの削減も期待できます。

メリット3狭い範囲で設置可能

既存の排水処理設備に追加する形で導入でき、コンパクトに設置できます。

※天城抗火石を用いた散水濾(ろ)床装置(左) 排水が天城抗火石の中を循環し、微生物の力で浄化されます。(右)

イベント情報
本出展ブースでは、澤本商事の技術担当者によるデモ機を使ったご紹介をいたします
イベント名
第28回 ファベックス2025(日本食糧新聞社主催)
日時
2025年4月15日(火)〜17日(木)10:00 〜17:00
会場
東京ビックサイト 東2ホール
参加費
5,000 円(税込)※招待券持参、事前来場登録は無料
Webサイト
https://www.fabex.jp/index.html

天城抗火石、展示デモ機等でご説明いたします。

弊社と三谷産業は、天城抗火石を用いた排水処理技術を広く提供していくことで、

環境負荷低減をはじめとする排水処理の課題解決に貢献してまいります。

ご来場お待ちしています。

天城抗火石散水ろ床法の詳細はこちら

お問い合わせフォームはこちら

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チェコの水処理事情は?!水と文明の関係を探る

 2025/03/17   

みなさん、こんにちは。澤本悟博です。
現在、東欧ハンガリー → スロバキア → チェコ → オーストリアの視察に来ています。

チェコの首都プラハには街の中に河が流ています。
日本では「モルダウ川(ドイツ語)」として知られています。
プラハの中心部を南北に流れている川で、チェコ国内最長の川とのことです。

プラハ市内では旧市街とプラハ城の間を流れ、有名なカレル橋がかかっています。
フランツ・カフカ博物館近くの川のほとりでカレル橋とヴルタヴァ川が一望できます。
下流にはドイツのドレスデン → ベルリンまで繋がっています。

国と国を繋ぐ川は重要な交通手段であり、航路での荷物、人の移動に使用され、大陸を縦断するには川は大切な資源となっています。
そのためなのか市内のトイレも綺麗に使用されて、街並みもゴミが少なく綺麗です。
当然のように排水規制も厳しく、汚水は流せない!
一国の汚染流出のために何カ国も被害に遭ってしまうからです。
工場や畜産関係の処理施設は日本と同じように活性汚泥法が多いようです。
気候も雪は少ないのですが、乾燥して寒く、夏は33~35℃と暑く、東北の太平洋側の気候と似ています。
季節変動も大きいことから、管理は容易ではないと推測されます。
次回は顕微鏡で微生物観察してみたいものです。

生活用水として、水道水は軟水器を通しているようですが、飲水は各家庭にウォーターサーバーを使用しているようです。
プラハの水道水を採水してきましたので、分析を行って、成分や水の法則性等を調べてみます。

水のあるところ文明は栄えます。
水を大切にする文化は日本とも共通ですね。

弊社では、環境保護・コストダウン・持続可能な未来への観点から、事業に利用する「水」そのものの見直しとご提案をしております。
浄水・水道水などの一般の水を、「改質水(SW1水)」という微細分子で活発な状態の水に変化させ、排水処理だけでなく、農業、飲食店、金属加工工場、食品加工工場など様々な業種の現場で活用していただいています。
「改質水ってなに?」と思われた方、ぜひ以下のページをご覧ください!

浄水から改質水へ(天城抗火石・改質水導入方法)

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【pHの世界 vol.1】pHと色

 2024/11/13   

あなたは「pH」と聞いて何を思い浮かべますか?
子供のころの理科の授業で見たリトマス試験紙やBTB液、フェノールフタレインを使った実験の印象が強いという方も多いのではないでしょうか?
そういわけで、以前告知させていただいた「pHの世界」、連載第一回目のテーマは「色」です!
pHと色の意外な(?)関係に迫ります🔍

前出の告知記事でも溶液の色が変化する様子を動画でご覧いただきましたが、ここでもう一度この動画を見てみましょう。

こちらはBTBでもフェノールフタレインでもなく、エリオクロムブラックT(EBT)という指示薬によるものです。
pH6以下で赤、7~11で青、12以上ではオレンジ色になりますが、EBTは一般にはpH指示薬としてではなく金属指示薬等に利用されています。ブログに掲載するために今回だけの特別な操作を行い撮影しました。

pHによって色が変わるものは指示薬だけではありません。
紅茶にレモンを入れた時に色が薄くなったと感じたことはありませんか?
これは紅茶に含まれるポリフェノール系の色素が酸性で色が薄くなる性質を持つためです。

ポリフェノールの中でも特にアントシアニンはpHによる色の変化が顕著で、紫キャベツなどアントシアニンを含む食材が酢やレモン汁などの酸性の調味料で鮮やかな赤やピンクに変わるのを目にされたことがあるかもしれません。
他にも、酸性のヨーグルトにブルーベリーを入れると色がより鮮やかになったり、赤紫蘇で梅干しがきれいな赤に染まったりと、身近なところでもpHによる色の変化を体験することができます。

「色」をテーマにお届けした第一回pHの世界、いかがでしたか?
次回以降もpHの世界を少しずつ掘り下げていきたいと思いますので、次回もどうぞお楽しみに!
土壌pHによって色が変わるアジサイの花

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