こんにちは。澤本商事の澤本享宏です。 6月に入り、梅雨の蒸し暑さを感じる日が増えてまいりました。この時期から夏本番にかけて、私たちがお客様からいただくお問い合わせで急増するのが、排水処理施設から発生する「臭い」に関するご相談です。 「去年も臭いで悩まされた」「本格的に暑くなる前に対策しておきたい」というお声も少なくありません。 そこで本日は、夏場の臭い対策について、その原因とリスク、そして具体的な解決策までを詳しく解説いたします。
なぜ夏場に排水処理の臭いは強くなるのか?
毎年同じように運転管理していても、夏場になると特に臭いが強くなるのには、明確な理由があります。
原因1水温上昇と微生物の活動変化
気温の上昇に伴い、排水処理槽内の水温も上昇します。水温が上がると水中に溶け込める酸素の量(溶存酸素)が減少し、槽内が酸素不足の状態に陥りやすくなります。 その結果、酸素を必要とする好気性微生物の活動が弱まる一方で、酸素のない環境を好む嫌気性微生物が活発化。この嫌気性微生物による分解プロセスが悪臭の主な原因となります。
原因2汚泥や油分の腐敗と悪臭成分の発生
水温が高い状態は、調整槽や曝気槽に溜まった汚泥や油分の腐敗を促進します。特に、油分などが嫌気性微生物によって分解される際に、「硫化水素」(卵や玉ねぎが腐ったような臭い)や「メチルメルカプタン」といった強烈な悪臭成分が発生し、周辺に拡散してしまうのです。
臭い問題が引き起こす3つの重大なリスク
「少し臭うくらいなら…」と臭い問題を放置しておくと、事業継続に関わるような重大なリスクに発展する可能性があります
リスク1近隣トラブルと企業信用の低下
悪臭は風に乗って遠くまで拡散するため、近隣の住民の方や施設からのクレームに直結します。一度クレームが発生すると、企業の社会的信用を損なうだけでなく、行政指導の対象となる可能性もあり、継続的な対策が求められます。
リスク2従業員の健康被害と労働環境の悪化
硫化水素などの悪臭成分は、人体にとって有害です。高濃度のガスは目や喉、皮膚の粘膜を刺激し、頭痛や吐き気を引き起こすこともあります。毎日施設で働く従業員様の健康を守り、安心して働ける環境を維持するためにも、臭い対策は不可欠です。
リスク3施設の腐食と修繕コストの増大
硫化水素ガスは、水分と反応して硫酸を生成し、コンクリートや金属(鉄、ステンレスなど)を強力に腐食させます。設備の腐食は施設の寿命を縮め、数年で大規模な修繕や機器の交換が必要になるなど、予期せぬ多額のコストに繋がるケースも少なくありません。
【対策編】即効性と根本改善を両立する澤本商事の臭気対策
弊社では、目の前の臭いをすぐに消す「即時対策」と、臭いの発生しにくい環境をつくる「根本対策」の両面から、お客様に最適なプランをご提案します。
ステップ1無料の現地調査と臭気診断
まず専門スタッフが現地へお伺いし、臭気の発生源(調整槽、曝気槽など)や臭いの種類を特定します。その場で悪臭が発生している水を採取し、原因物質に合わせた脱臭剤のサンプルテスト(脱臭テスト)を無料で行い、効果を直接ご確認いただくことも可能です。
ステップ2原因に合わせた最適な脱臭剤の選定
弊社では、原因や状況に応じて様々なタイプの脱臭剤を取り揃えています。
- 液体脱臭剤「スメロンラックDL / DL-N」
硫化水素やメチルメルカプタンに化学的に作用し、即効性が高いのが特徴です。過去には、お客様の目の前でサンプルを投入し、「1~2分で臭いが消えた」と驚きの声をいただいた実績も多数あります。
排水処理施設の脱臭対策に「スメロンラックDL-N」
調整槽や原水槽の臭気を速攻で解消した「スメロンラックDL」 - 粉体脱臭剤「SANA-S」
酸素不足に陥った曝気槽などに効果的です。酸素を供給しながら悪臭を分解し、水に溶けやすく即効性があります。

ステップ3持続的な改善に向けた運転管理サポート
脱臭剤による対策と並行して、曝気量や汚泥の管理など、臭気が発生しにくい環境を維持するための運転管理についてもサポートいたします。これにより、薬剤コストの最適化と持続的な臭気抑制の両立を目指します。
臭気対策は夏本番前の「今」が重要
排水処理施設の臭気問題は、一度深刻化すると解決に時間とコストがかかります。多くの工場が悩み始める夏本番を迎える前に、先手を打って対策を講じることが、結果的に被害を最小限に抑え、コストを最適化する鍵となります。
「最近、少し臭いが気になり始めた」「毎年夏になるとクレームが来て困っている」など、少しでも不安を感じたら、ぜひ一度、澤本商事にご相談ください。
水質・臭気検査、ラボテスト、お見積りまで無料で実施させていただきます。 お客様の悩みを一つでも多く解消できるよう、迅速丁寧に寄り添ってまいりますので、お気軽にお問い合わせください。
