日々の研究や水処理のアレコレなどを綴ります

糸状菌

「天城抗火石散水ろ床方式」採用の新設排水処理施設完成

 2023/11/21   

こんにちは。澤本享宏です。

7月から工事していた弊社独自の「天城抗火石散水ろ床方式」を採用した、新設の排水処理施設が10月初旬に完成しました。

今回は地元石川県の乳業屋さんの工場新設に伴い、排水処理施設も新設することになりました。
その乳業屋さんの排水の詳細を紹介いたします。

計画水量:400㎥/D

BOD濃度:1000ppm

SS濃度:150ppm

COD濃度:240ppm

上記の数値をもとに以下の内容で設計いたしました。

散水ろ床槽:1槽あたり17㎥×4槽

循環槽:75㎥×4槽

散水ろ床法式を使うことで、BODは99%除去することが可能です。

また廃水中には、年々多糖類の流入が増しています。
多糖類の分解は限られた生物低分子時は糸状菌、高分子時は放線菌が優先種になる場合があります。

そこで弊社の散水ろ床で使う抗火石から溶出するSiO4(オルト珪酸)を利用する事により、この問題は解決可能です。

「天城抗火石散水ろ床方式」は環境省のETV事業でも実証されており、排水処理プラントの性能の実証実験を行った際には、次のことが実証されています。

  • 散水ろ床槽によるBODの濃度減少率は、定期試験で平均94.5%、日間水質水質試験で、夏季平均92.3%、冬季平均 91.7%であった。 また 、CODの濃度減少率は、定期試験で平均 85.1%、日間水質試験で夏季平均 80.3%、冬季平均 89.3%であった。
  • 放流水質濃度では、BOD、SSに おいて定期試験、日間水質試験ともに実証する性能を満たし、CODでは 冬季の定期試験を除き 概ね実証する性能を満たした。
  • 夏場の臭気もなく、冬場の気温が低下しても安定的な処理能力が実証された。

実証実験の詳細は弊社のウェブサイトをご覧ください。
環境省ETV実証事業「天城抗火石散水ろ床法」詳細はこちら

今回の新設工事を行ったお客様も、前工場では糸状菌・放線菌などが多く排水の安定化が出来ず悩んでいらっしゃいました。
糸状菌や放線菌はもちろん、水量・BOD・ノルヘキなどの負荷が増加し前処理を検討している等のお悩みがあり、処理方法をご検討されているのであれば、是非ご相談ください。

すぐに駆けつけ、現場でのお打ち合わせや負荷計算等行い、改善策をご提案させていただきます。

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販売店様との連携・サービス力向上について

 2023/11/21   

こんにちは、澤本商事の澤本剛希です。
石川県は、11月に入り冬に向けて気温も下がってまいりましたが、皆様は如何お過ごしでしょうか。

本日は、表題にもある通り、弊社販売店様との活動について少しお話していきたいと思います。

弊社には販売店様が地方各地にあり、その地方の排水現場を回ってお客様の排水状況を確認・調査させていただいております。
何か問題があればその場で解決、または弊社に汚泥を送って頂き、解決方法を一緒に模索しています。
また、弊社が現場にお伺いし、管理方法についてのアドバイスを一緒に行っています。

先日も弊社の販売店になって間もない販売店様から、「食品加工会社様の排水処理がうまくいっていない」との問い合わせがあり、現場に行き、3日間現場に張り付いて解決することが出来ました。

その際に問題になっていたのは、

①脱窒槽での脱窒がうまくいっていない

②C/Nバランスが崩れており、フロックが分散

③糸状菌が多く発生しており、フロックが沈まない

主な原因としてこの3点がありました。

この3点を解決するために、弊社は以下の3点のことを実施しました。

①BOD源として薬剤を投入し、脱窒槽への負荷を調整し、脱窒効率を上げる。

②フロックに重みをもたせる為、弊社資剤のBASEシリーズのBASE-7-SW投入。

③糸状菌を減らすため、薬剤を投入しPHを調整。

この結果、脱窒処理の効率アップに繋がり、フロックが大きくなり、糸状菌が減少しました。
当初汚泥界面20~30cm程度のものを、1週間後には1m程度、2週間後には1.5m~2m程度の汚泥界面まで改善することができ、お客様にも販売店様にもその場で弊社の運転技術・資剤効果を実感して頂けました。

それからは、工場排水を3㎥/Hしか処理できなかったものも、11~12㎥/H程度処理できるようになり、格段に効率もよくなりました。

弊社は、販売店様にも弊社と同じような技術力が身に付くまで現場同行・顕微鏡の見方・運転管理の仕方を現場で実践し、一緒に行っていくことで、販売店様と良好な関係を築いていけるように日々邁進しております。

このように、販売店様と連携しての活動を通じてお客様をサポートすることも多々あります。

排水処理場の困りごとは待ったなしです!

すぐに駆け付け、水質検査・現地調査・ラボテストまでを無料で実施しております。また対策資剤の選定も澤本商事で行っています。

お気軽にお問合せください。

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出張で学んだ、排水処理施設の運転管理の重要性!

 2023/04/17   

こんにちは!
3月から入社した澤本享宏です。
入社してから排水処理の現場に足を運び、早く1人で回れるように奮闘しています。

先週の4月5日~7日で2泊3日の出張にいってきました。
1日目は滋賀県・愛知県、2・3日目は静岡県を回りました。

今回印象的だったことが排水処理施設の運転管理に関してです。
愛知県のお客様先に伺ったときのことです。
こちらは出張の前週にも訪問しており、その時は最終の曝気槽が嫌気性になっていました。
その際に、弊社社長が空気量の調整方法をアドバイスしたことで、今回、最終曝気槽内の糸状菌も減り、好気性になっていました。

また、静岡県のお客様でも排水処理の運転管理アドバイスによって糸状菌が弱くなり、処理が進み改善されていました。

排水処理は、微生物をいかに活性化させるかが鍵で、その一つとして運転管理も重要なのだと感じました。

弊社ではお客様の工場、事業所にすぐに駆けつけ、現場調査、水質検査、ラボテストまでを無料でさせていただきます。
糸状菌でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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曝気槽の泡対策の改善結果

 2023/01/31   

2022/12/17日に投稿した泡対策の記事のその後です。

①ph
②油脂分解
③C/Nバランス調整
の対策を同時に行いました。

曝気槽泡(2022/12/17時点)

粘性の泡(2022/12/17時点)

 ↓ ↓ ↓ 
 
曝気槽泡減少(2023/1/12時点)

曝気槽泡の減少
粘性の泡から軽い泡になる(2023/1/12時点)

 
改善前(2022/12/17)粘性:31.3CP、SV30 100%

改善後(2023/1/12)粘性:12.2CPへ低下、SV30  86%改善

油脂分が分解され、糸状菌、放線菌も減少し粘性が低下し沈降性が改善されました。
沈殿槽でのバルキングも未然に防ぐことが出来ました。

 

油脂分解剤で使用したのはSANA-油トールB
澤本商事オリジナル特注品の、油脂分解の前処理剤です。
曝気槽のn-Hex減少の効果があります。
グリストラップから大規模排水処理場まで、対応可能です。

油トールB

 

C/Nバランス調整に使用したのはSANA-N改1-SWです。
油脂や粘質が多い原水で曝気槽に粘性が発生したときや、BOD負荷が高い場合の栄養バランス調整剤です。

SANA-N改1
 

対策資剤の選定も澤本商事で行っています。
排水処理場の困りごとは待ったなし‼
すぐに駆けつけ、現場調査、水質検査、ラボテストまでを無料でさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。

 

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油脂分解・油脂分離に欠かせないバクテリアの活性化

 2022/10/18   

10月も中頃となり、排水処理場の水温も20~26℃と低下し始めています。

この時期の排水処理場の特徴として

【1】朝、昼、夜の温度変化も大きく、皆さんのカラダと同じように微生物も体調を崩しやすい状態となります。

▼フロック解体の様子
フロック解体

【2】油脂分が多い排水では油分が塊り分解が遅れてしまい放線菌が発生し汚泥の沈降性が悪化してきます。

▼油分粒
油分粒

▼放線菌
放線菌

【3】糖分が多い排水では糸状菌が繁殖し粘性を増加させ沈降性不良となります。

 

そこで、澤本商事では、バクテリア活性不良の根本的対策をお伝えしています。
秋から冬の油脂分対策についてお困りの方は、ぜひ以下のページにて詳細をご覧ください。

バクテリア活性化不良対策について

 

季節に合わせた微生物の活性化で油脂分解を促進しませんか?
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