TOC(全有機炭素)

工場の排水処理における「TOC(全有機炭素)」とは

こんにちは、さわまる博士です。
工場の排水処理において、水がどれだけ「有機物」によって汚れているかを示す指標は非常に重要です。その代表的な指標として「BOD」や「COD」がありますが、これらとは別の角度から、より正確に有機物の総量を測定する指標があります。

それが、本日解説する「TOC(ティーオーシー)」、日本語で「全有機炭素」です。

さわまる博士

排水処理における「TOC」とは、どのようなものでしょうか?

TOC(Total Organic Carbon)とは、水中に含まれる「有機物」の量を、その有機物を構成している「炭素(C)の量」として測定した値です。測定単位はBODCODと同じ mg/L で表されます。

BOD(生物化学的酸素要求量)が「微生物に分解される有機物」の量、COD(化学的酸素要求量)が「酸化剤で分解される有機物」の量を示す間接的な指標であるのに対し、TOCは「水中の有機物そのものの炭素量」を直接測定する指標です。

排水処理におけるTOCの活用

TOCは、BODCODと並ぶ、排水処理の重要な管理指標として活用されます。

  • 測定が迅速
    BODの測定には5日間、CODの測定にも数時間かかりますが、TOCは専用の測定器(TOC計)を使えば、わずか数分~数十分で結果が出ます。この迅速性により、排水処理プラントの異常(高濃度の有機物が急に流入した等)をいち早く検知し、運転調整に役立てることができます。
  • 有機物の総量把握
    BODCODでは測定できない(分解されにくい)種類の有機物も、TOCは炭素として検出できます。そのため、工場から排出される有機汚濁物質の「総量」を把握するための指標として、近年ますます重要視されています。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

TOCは非常に便利な指標ですが、BODCODの代わりになるというよりは、それぞれの「強み」を活かして使い分けることが重要です。

例えば、BODは「生物処理で分解できるか」、CODは「酸化処理が必要か」、TOCは「有機物の総量はどれくらいか」といったように、それぞれの指標が持つ意味を理解して排水処理の管理を行うことが、安定した処理水質への近道なんですよ。

さらに詳しく知りたい方へ

本日はTOCについて解説しましたが、従来から使われている有機汚濁の指標である「BOD」や「COD」、そして同じく総量規制の指標である「T-N(総窒素)」や「T-P(総リン)」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。

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