SVI(汚泥容量指標)

工場の排水処理における「SVI(汚泥容量指標)」とは

こんにちは、さわまる博士です。
排水処理の現場では、「最近、汚泥の調子が悪いな…」と感じることがあります。その「汚泥の調子」、特に沈みやすさの状態を、数値で客観的に評価するための代表的な指標が、本日解説する「SVI(エスブイアイ)」です。

さわまる博士

SVIとは、どのような指標なのでしょうか?

SVIとは、Sludge Volume Index の略で、日本語では「汚泥容量指標」と訳されます。
これは、曝気槽活性汚泥1gが、30分間静置したときに占める容積(mL)を示した数値です。

SVIの数値が低いほど、活性汚泥は密度が高く、ギュッと締まっていて沈みやすい「良い汚泥」であると言えます。
逆に、SVIの数値が高いほど、活性汚泥は水を多く含んでいて、ふわふわと軽く、沈みにくい「悪い汚泥」(つまり、バルキング状態の汚泥)であると判断できます。

SVIの計算方法

SVIは、以下の2つの測定値から計算されます。

  • SV30(汚泥沈降率30分値): 曝気槽の混合液1Lをメスシリンダーに入れ、30分静置した後に沈んだ汚泥の容積(mL)。
  • MLSS(活性汚泥浮遊物質濃度): 曝気槽の混合液1Lに含まれる固形物の量(mg)。

計算式

なぜSVIが重要なのですか?

SVIは、活性汚泥の沈降性を客観的な数値で評価できるため、日々の運転管理において非常に重要な指標となります。

  • バルキングの早期発見
    毎日のSVIを記録することで、その上昇傾向から「バルキング」の兆候を早期に発見することができます。SVIが150を超えてくると要注意、200を超えるとバルキングが深刻化している、といった判断の目安になります。
  • 汚泥管理の指標
    SVIの値は、沈殿槽での汚泥の濃縮性にも関係します。SVIを参考にしながら、返送汚泥余剰汚泥の引き抜き量を調整することで、より安定した運転を目指すことができます。

一般的に、良好な活性汚泥のSVIは50~150の範囲にあると言われています。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

SVIを計算するためには、SV30とMLSSの両方を測定する必要があり、少し手間がかかります。そのため、日々の簡易的なチェックでは、まずSV30だけを測定し、「いつもより沈みが悪いな」と感じた時に、詳しくSVIを計算して状態を評価する、という方法も有効ですよ。

さらに詳しく知りたい方へ

本日はSVIについて解説しましたが、SVIが異常値を示す代表的なトラブルである「バルキング」や、SVIの計算に必要な「SV30」「MLSS」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
活性汚泥の沈降性が悪く、SVIの値が高くてお困りの際は、いつでも澤本商事にご相談ください。

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