工場の排水処理における「SS(浮遊物質量)」とは
こんにちは、さわまる博士です。
水の「にごり」の正体って、なんだろう?と思ったことはありませんか。
本日は、その「にごり」の主な原因であり、排水処理において非常に重要な管理項目である「SS(エスエス)」について解説します。

SSとは、どのようなものなのでしょうか?

SSとは、Suspended Solids の略で、日本語では「浮遊物質量」と訳されます。
これは、水の中に溶けずに浮遊している、直径2mm以下の不溶性の粒子状物質のことを指します。
分かりやすく言うと、水に溶けない「にごり」の原因となる、目に見えるか見えないかくらいの、非常に細かいゴミや汚泥、プランクトンなどの粒々のことです。
SSの数値は、水をろ過した後に、ろ紙の上に残った物質の重さを測ってmg/L(1リットルあたりのミリグラム)という単位で表されます。
なぜSSが重要なのですか?
SSも、BODやCODと並んで、水質汚濁防止法などで排水基準が定められている、基本的な水質指標の一つです。
SSが多い水が河川などに流されると、水の透明度を下げて、水中の植物の光合成を妨げたり、魚のエラに詰まって呼吸を阻害したりする原因となります。また、沈殿したSSが川底などに堆積すると、ヘドロとなって水環境を悪化させることにもつながります。
排水処理においては、このSSをいかに効率よく取り除くかが、処理水質を決定づける重要なポイントとなります。
SSの除去方法
排水中のSSは、その性質に応じて様々な方法で除去されます。
- 沈降分離
SSの中でも比較的重い粒子は、「沈殿槽」などで、重力を利用して自然に沈めて除去します。 - 浮上分離
油分など、水より軽いSSは、「加圧浮上処理」などで、気泡の力を借りて浮かせて除去します。 - 凝集処理
そのままでは沈みにくい非常に細かいSSは、「凝集剤」を加えて大きな塊(フロック)にしてから、沈降や浮上によって除去します。 - ろ過
最後に残った微細なSSは、砂や膜(メンブレン)などを使って、物理的にこし取って除去します。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
活性汚泥処理の最終沈殿槽から出てくる処理水のSSが高い場合、それは汚泥の沈降性が悪い(例えば「バルキング」が起きている)サインかもしれません。SSの数値は、処理全体の健康状態を示すバロメーターにもなるんですよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日はSSについて解説しましたが、SSを除去するための具体的な設備である「沈殿槽」「加圧浮上処理」や、薬品を使う「凝集処理」、そしてSSが高い原因となる「バルキング」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
処理水のSSが高くてお困りの際は、いつでも澤本商事にご相談ください。
よく見られている用語
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