硫化水素
工場の排水処理における「硫化水素」とは
こんにちは、さわまる博士です。
排水処理施設で発生する臭いの中でも、特に代表的で厄介なものが「腐った卵のような臭い」です。本日は、その悪臭の主な原因物質である「硫化水素(りゅうかすいそ)」について解説します。

硫化水素とは、どのような物質なのでしょうか?

硫化水素(化学式: H₂S)は、特有の不快な臭気を持つ、有毒で可燃性のガスです。
排水処理の現場では、調整槽や沈殿槽の底に溜まった汚泥が、酸素のない嫌気状態になったときに、嫌気性微生物の働きによって水中の硫酸塩が還元されて発生します。
硫化水素が引き起こす主な問題
- 強烈な悪臭
非常に低い濃度でも人間の鼻で感知できる、強い悪臭を放ちます。近隣からの苦情の主な原因となり、作業環境も著しく悪化させます。 - 人体への毒性
高濃度の硫化水素は、目や喉の粘膜を刺激し、頭痛や吐き気を引き起こすだけでなく、最悪の場合は死に至ることもある危険なガスです。 - 施設の腐食
硫化水素は、水と反応して硫酸に変化し、コンクリートや金属(鉄、ステンレスなど)を強力に腐食させます。設備の腐食は、施設の寿命を縮め、予期せぬ多額の修繕コストに繋がるケースも少なくありません。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
排水処理施設で「腐卵臭」を感じたら、それは単に「臭い」だけでなく、施設の腐食が静かに進行している危険なサインかもしれません。臭いの対策は、施設の長寿命化のためにも非常に重要です。臭気を感じたら、放置せずに速やかに原因を特定し、対策を講じましょう。
さらに詳しく知りたい方へ
本日は硫化水素について解説しましたが、硫化水素の発生場所となる「調整槽」や「沈殿槽」、そして設備への影響である「腐食」、全体的な「臭い対策」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
施設の悪臭でお困りの際は、いつでも澤本商事にご相談ください。
よく見られている用語
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