発泡

工場の排水処理における「発泡」とは

こんにちは、さわまる博士です。
曝気槽を覗いたときに、水面がビールのように泡だらけになっていた、という経験はありませんか?この現象が、本日解説する「発泡(はっぽう)」です。見た目の問題だけでなく、処理機能の低下を示す重要なサインである場合もあります。

さわまる博士

発泡とは、何のことでしょうか?

発泡とは、曝気槽の水面に、多量の泡が発生し、なかなか消えずに滞留してしまう現象全般を指します。泡の色や粘性によって、様々な原因が考えられます。

なぜ発泡が起こるのですか?

曝気槽の発泡には、様々な原因がありますが、大きく分けて以下の2種類に分類されます。

生物由来の泡

これが最も多いケースで、特定の微生物の異常増殖が原因です。特に、ノカルディアなどの「放線菌」が増殖すると、粘性が高く、消えにくい茶色い泡(スカム)が発生します。これは、排水中の油脂分が多い場合や、汚泥の滞留時間(SRT)が長すぎる場合に起こりやすいです。

物理・化学的な泡

排水中に、洗剤などに含まれる「界面活性剤」が流入すると、白くて軽い泡が大量に発生します。また、排水の粘度が高い場合や、水温が急激に変化した場合にも発泡が起こりやすくなります。

発泡の管理で重要なこと

  • 泡の観察
    泡の色、粘り気、発生量などを毎日観察し、記録することが原因究明の第一歩です。「いつもと違う泡が出始めた」という気づきが、早期対策に繋がります。
  • 消泡剤の使用
    緊急対策として、消泡剤を使用することがあります。ただし、これは一時的な対症療法であり、根本的な原因を解決しない限り、発泡は再発します。使いすぎると処理に悪影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

放線菌による粘い泡は、非常に厄介です。一度大量発生すると、塩素などで殺菌する方法もありますが、これは活性汚泥全体にダメージを与える諸刃の剣です。そうなる前に、顕微鏡で放線菌が増え始めていないかを定期的にチェックし、SRTを調整するなど、予防的な管理を行うことが最も重要ですよ。

さらに詳しく知りたい方へ

本日は発泡について解説しましたが、関連する「曝気槽」「糸状性細菌」「スカム」「SRT」「界面活性剤」といった各用語についても、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。もし、曝気槽の泡が消えなくてお困りのことがありましたら、いつでも澤本商事にご相談ください。

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