DO(溶存酸素)

工場の排水処理における「DO(溶存酸素)」とは

こんにちは、さわまる博士です。
本日は、好気性生物処理(酸素を好む微生物による排水処理)の運転管理において、最も基本的で重要な管理項目の一つ、「DO(ディーオー)」について解説します。
これは、活性汚泥菌たちの「呼吸」に関わる、大切な指標ですよ。

さわまる博士

DOとは、どのような指標なのでしょうか?

DOとは、Dissolved Oxygen の略で、日本語では「溶存酸素」と訳されます。
その名の通り、水の中にどれくらいの濃度の酸素が溶け込んでいるかを示す指標です。単位は、水1リットルあたりの酸素のミリグラム量であるmg/L で表されます。

空気中にはたくさんの酸素がありますが、水に溶け込める酸素の量には限りがあります。そして、その量は水温や気圧によって変化します(水温が高いほど、酸素は溶けにくくなります)。

なぜ排水処理でDOの管理が重要なのですか?

活性汚泥法などで活躍する好気性の活性汚泥菌は、酸素を呼吸することで生命活動を維持し、排水中の汚れ(有機物)を分解します。
そのため、曝気槽内のDO濃度は、活性汚泥菌の働きに直接影響します。

  • DOが低すぎる場合(酸欠状態)
    活性汚泥菌の活動が鈍くなり、汚れの分解能力が著しく低下します。また、酸素が嫌いな嫌気性微生物が優勢になり、悪臭の原因となることもあります。さらに、糸状性バルキングの原因の一つにもなります。
  • DOが高すぎる場合
    活性汚泥菌の活動には問題ありませんが、必要以上に空気を送り込んでいることになり、ブロワーなどの動力コスト(電気代)の無駄遣いにつながります。

このように、DOは低すぎても高すぎてもダメで、常に適切な範囲(一般的に1~3mg/L程度)に保つことが、安定的かつ経済的な運転のために不可欠なのです。

DOの測定とコントロール

DOは、DO計(隔膜電極式や蛍光式など)という専用のセンサーで連続的に測定されます。
多くの排水処理場では、このDO計の測定値と連動して、曝気槽に空気を送り込むブロワーの運転(回転数など)を自動で制御し、DO濃度を一定に保つ工夫がされています。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

夏場は水温が上昇し、水に酸素が溶けにくくなるため、冬場と同じようにブロワーを運転していても、曝気槽内のDO濃度が低下しやすくなります。季節ごとの水温変化を考慮したDO管理が、年間を通じた安定運転のコツですよ。

さらに詳しく知りたい方へ

本日はDOについて解説しましたが、DOの管理が特に重要となる「曝気槽」や「活性汚泥法」、そしてDO不足が原因で起こるトラブル「バルキング」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
曝気槽のDO管理や、省エネについてお困りのことがありましたら、いつでも澤本商事にご相談ください。

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