工場の排水処理における「消毒」とは
こんにちは、さわまる博士です。
工場の排水処理において、BODやSS、窒素・リンなどを除去し、見た目も透視度もきれいな処理水が得られたとしても、まだ安心して放流できない場合があります。それは、処理水の中に「病原性」を持つ細菌類(大腸菌など)が残っている可能性がある場合です。
特に、食品工場や病院の排水、あるいは人間や家畜のし尿を含む排水処理では、最後の「安全の砦」として、本日解説する「消毒(しょうどく)」という工程が極めて重要になります。

排水処理における「消毒」とは、どのようなものでしょうか?

排水処理における消毒とは、処理水中に残存する可能性のある大腸菌群やその他の病原性微生物を、化学的または物理的な手段で殺菌・不活化し、公衆衛生上の安全性を確保する操作のことです。
この処理は、生物処理やろ過など、すべての汚濁物質除去が完了した「最終工程」で行われます。
排水処理における主な消毒方法
消毒にはいくつかの方法がありますが、工場の排水処理では主に以下の方法が用いられます。
- 1. 塩素消毒(化学的)
最も一般的で安価な方法です。「次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)」などの塩素系薬剤を注入し、その強力な酸化力で細菌の細胞膜を破壊して殺菌します。確実な殺菌効果と、処理水に殺菌効果が残りやすい(=残留塩素)という特徴があります。 - 2. オゾン消毒(化学的)
「オゾン($O_3$)」の非常に強力な酸化力を利用して、細菌やウイルスを殺菌・不活化します。塩素よりも強力で、有害な副生成物を作りにくいメリットがありますが、設備コストが高い傾向があります。詳細は「オゾン処理」をご確認ください。 - 3. 紫外線消毒(物理的)
水中に「紫外線(UV)」を照射し、そのエネルギーで細菌やウイルスのDNA(遺伝子)を破壊し、増殖できないように(不活化)します。薬品を使わないため安全で管理が容易ですが、水の濁度が高いと紫外線の透過が妨げられ、効果が低下する弱点があります。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
最も一般的な「塩素消毒」を行う場合、注意点が一つあります。それは「注入量」です。
塩素は、水中の細菌だけでなく、残っている有機物(BOD)とも反応して消費されてしまいます。そのため、十分な消毒効果を得るためには、「処理水中の残留BOD」+「殺菌に必要な量」を見越して注入量を決める必要があります。また、処理水に塩素が残りすぎると(残留塩素)、放流先の河川の生物に悪影響を与えるため、逆に塩素を除去する「脱塩素処理」が必要になる場合もあるんですよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日は消毒について解説しましたが、消毒に最もよく使われる「次亜塩素酸ナトリウム」や、同じく消毒に使える「オゾン処理」、そして消毒の対象となる「原生動物」(病原性のあるものも含む)といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
よく見られている用語

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