散気装置(ディフューザー)
工場の排水処理における「散気装置(ディフューザー)」とは
こんにちは、さわまる博士です。
多くの工場の活性汚泥法では、微生物の活動に不可欠な酸素を水中に供給する「曝気(ばっき)」という工程が極めて重要です。
その曝気を効率的に行うための心臓部とも言える設備が、本日解説する「散気装置(さんきそうち)」です。

散気装置とは、何のことでしょうか?
散気装置とは、ブロワー(送風機)から送られてきた空気を、水中で微細な気泡として放出するための設備の総称です。一般的に、曝気槽の底部に設置されます。
この装置から放出される泡が細かいほど、水と空気が接触する面積が大きくなり、水中に酸素が溶け込みやすくなります(酸素移動効率が高まります)。

散気装置の主な種類
散気装置には、材質や形状によっていくつかの種類があります。代表的なものをご紹介しますね。
- メンブレン式(膜式)
ゴムや樹脂でできた膜(メンブレン)に微細な孔(あな)が開いており、そこから均一で細かい気泡を発生させることができます。酸素移動効率が高く、現在の主流となっていますが、汚泥による目詰まり(閉塞)を防ぐための定期的なメンテナンスが必要です。 - セラミック式
セラミック製の多孔質な素材でできており、非常に微細な気泡を発生させることができます。効率は高いですが、メンブレン式と同様に目詰まりのリスクがあります。
散気装置の管理で重要なこと
- 目詰まり(閉塞)の確認
長期間使用すると、汚泥や水中のスケール成分によって散気装置が目詰まりを起こし、気泡が出にくくなることがあります。曝気槽の水面を見て、泡の出方が均一か、一部分だけ出ていない場所はないかなどを日常的に確認することが大切です。 - 圧力損失の監視
目詰まりが進行すると、ブロワーが空気を送り込むために余計な力が必要になり、圧力が高まります(圧力損失)。これは消費電力の増大に直結するため、圧力計の数値を定期的にチェックすることがコスト管理の面でも重要です。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
散気装置は、活性汚泥法における縁の下の力持ちです!この装置が正常に機能しているかどうかが、処理能力の安定と、電気代などのランニングコストに直接影響します。曝気槽の水面の様子は、排水処理の状態を知るための重要なサインです。毎日少しの時間でも良いので、泡の出方を観察する習慣をつけると、トラブルの早期発見に繋がりますよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日は散気装置について解説しましたが、関連する「活性汚泥法」「曝気槽」「DO(溶存酸素)」「MLSS」といった各用語についても、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
もし、散気装置の目詰まりやブロワーの圧力上昇などでお困りのことがありましたら、いつでも澤本商事にご相談ください。
よく見られている用語
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