工場の排水処理における「COD(化学的酸素要求量)」とは
こんにちは、さわまる博士です。
本日は、水の汚れを示す代表的な指標の一つ、「COD(シーオーディー)」について解説します。
前回お話しした「BOD」とセットで語られることが多いですが、その意味には重要な違いがあります。この違いを理解することが、排水処理を管理する上でとても大切ですよ。

CODとは、どのような指標なのでしょうか?

CODとは、Chemical Oxygen Demand の略で、日本語では「化学的酸素要求量」と訳されます。
これは、水の中の汚れ(有機物など)を、強力な薬品(酸化剤)を使って化学的に酸化・分解するときに、どれくらいの量の酸素が消費されるかを示した数値です。
BODが「微生物が分解できる汚れ」の量だったのに対し、CODは微生物が分解できない有機物も含めて、化学的に酸化されるすべての物質の量を測定します。
そのため、一般的に同じ水であれば、CODの数値はBODの数値よりも高くなる傾向があります。
なぜCODが重要なのですか?
CODもBODと同様に、水質汚濁防止法などで排水基準が定められている重要な指標です。
特に、化学工場の排水のように、微生物が分解しにくい化学物質や、微生物にとって有毒な物質が含まれている可能性がある場合、BODでは正確な汚濁の度合いが測れません。そのような場合に、CODが汚濁指標として用いられます。
また、湖や海のように、水の流れが滞留しやすい「閉鎖性水域」では、富栄養化の原因となるプランクトンの増殖などを評価するために、CODが重要な環境基準項目とされています。
BODとの使い分け
一般的に、下水や食品工場排水のように、微生物が分解しやすい有機物が多い排水ではBODが、化学工場や製紙工場の排水のように、分解しにくい有機物を含む排水ではCODが、それぞれ汚濁指標として重視される傾向にあります。
また、CODは測定時間がBOD(5日間)に比べて短い(約2時間)ため、日々の運転管理指標として活用されることも多いです。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
「BOD/COD比」という考え方があります。これは、排水中の有機物が、どれくらい微生物によって分解されやすいかを示す目安になります。この比率が高いほど、生物処理(活性汚泥法など)で処理しやすい排水である、と判断することができるんですよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日はCODについて解説しましたが、対になる指標である「BOD」や、より直接的に有機物量を測る「TOC(全有機炭素)」、そしてCODを下げるための「凝集処理」や「酸化還元処理」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
CODの数値が基準値まで下がらずお困りの場合は、いつでも澤本商事にご相談ください。
よく見られている用語
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