キャリーオーバー

工場の排水処理における「キャリーオーバー」とは

こんにちは、さわまる博士です。
沈殿槽の運転管理において、絶対に避けなければならない重大なトラブルの一つが「キャリーオーバー」です。これが起こると、せっかくきれいにした水が台無しになってしまいます。

さわまる博士

キャリーオーバーとは、どのような現象なのでしょうか?

キャリーオーバーとは、沈殿槽で沈降させた活性汚泥が、清澄な処理水(上澄水)と一緒に、後続の工程や放流先へ流出してしまう現象のことです。

沈殿槽の主な目的は、水と汚泥を分離する「固液分離」ですが、キャリーオーバーは、この固液分離が完全に失敗している状態を指します。
これにより、放流水のSS(浮遊物質量)が排水基準を大幅に超過し、環境汚染に直結する深刻な事態となります。

キャリーオーバーの主な原因

  • 汚泥の沈降性不良(バルキング)
    バルキングによって活性汚泥が沈みにくくなると、汚泥界面が上昇し、越流堰(えつりゅうせき)を越えて汚泥が流出してしまいます。これは、キャリーオーバーの最も代表的な原因です。
  • 過負荷(流量超過)
    設計能力を超える大量の排水が沈殿槽に流入すると、槽内の上昇流の勢いが汚泥の沈降速度を上回り、汚泥が押し流されてしまいます。大雨の時などに発生しやすいです。
  • 汚泥引き抜き量の不備
    返送汚泥余剰汚泥の引き抜き量が不足していると、槽内の汚泥量が増えすぎて汚泥界面が上昇し、キャリーオーバーを引き起こします。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

処理水の「透視度」を毎日チェックする習慣は、キャリーオーバーの早期発見に非常に有効です。透視度が普段より悪化していれば、それは沈殿槽で何らかの異常、つまりキャリーオーバーの兆候が起きているサインかもしれません。大きなトラブルになる前に、原因を調査しましょう。

さらに詳しく知りたい方へ

本日はキャリーオーバーについて解説しましたが、その主な原因である「バルキング」や、管理が重要となる「沈殿槽」「汚泥界面」「返送汚泥」「SS」といった各用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
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