工場の排水処理における「嫌気処理」とは
こんにちは、さわまる博士です。
工場の排水処理で微生物を使う方法というと、曝気槽でブクブクと空気を送る「好気処理」をイメージする方が多いかもしれません。しかし、それとは正反対に、「酸素がない状態」で活躍する微生物を利用した処理方法があります。
それが、本日解説する「嫌気処理(けんきしょり)」です。

排水処理における「嫌気処理」とは、どのようなものでしょうか?

嫌気処理とは、酸素(O2)がほとんど、あるいは全く存在しない「嫌気状態」で活動する「嫌気性微生物」の働きによって、排水中の有機物(BOD成分など)を分解する排水処理技術です。
この処理方法の最大の特徴は、有機物を分解する最終段階で「メタンガス(CH4)」が発生することです。そのため「メタン発酵」とも呼ばれます。嫌気処理は、主に食品工場やビール工場など、BOD濃度が非常に高い(数千~数万mg/L)排水の前処理として用いられることが多い技術です。
嫌気処理による排水処理のメリットとデメリット
現場で嫌気処理の導入を検討する際は、以下のメリットと、管理上のリスク(コスト)のバランスを理解しておくことが重要です。
一方で、以下のような管理上の難しさやリスクもあります。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
嫌気処理は、電気代を抑えながら高濃度BODを処理できるパワフルな方法ですが、アンモニアなどの窒素成分やリンはほとんど除去できません。
そのため、実際の現場では「嫌気処理か好気処理か」の二者択一ではなく、まず「嫌気処理」で高濃度のBODを大まかに分解し、その後の「好気処理」で残ったBODや窒素・リンを仕上げとして除去する、という「併用」の形で使われるケースが多いんですよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日は嫌気処理について解説しましたが、これと対になる「好気処理」や、嫌気処理の代表的なトラブルである「硫化水素」の発生、そして管理指標となる「アルカリ度」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
よく見られている用語

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