酸化還元処理
工場の排水処理における「酸化還元処理」とは
こんにちは、さわまる博士です。
工場の排水処理では、生物処理(活性汚泥法)では分解できない、有毒な化学物質(シアンや六価クロムなど)が含まれていることがあります。
このような有害物質を無害化するために、微生物の力ではなく、「化学薬品」の力を使って処理する方法があります。
それが、本日解説する「酸化還元処理(さんかかんげんしょり)」です。

酸化還元処理とは、どのようなものなのでしょうか?

酸化還元処理とは、化学反応である「酸化(物質が電子を失う反応)」または「還元(物質が電子を得る反応)」を利用して、排水中の有害物質を、無害な物質や、沈殿などで除去しやすい物質に変化させる化学的な排水処理技術です。
主に、メッキ工場や化学工場など、特定の有害物質を排出する工場の排水処理(一次処理)で用いられます。
酸化還元処理の具体的な例
- 酸化処理の例:シアン(CN-)処理
猛毒であるシアン(青酸カリの成分)は、生物処理では分解できません。そこで、次亜塩素酸ナトリウムなどの「酸化剤」を加え、シアンを酸化分解し、最終的に無害な窒素ガス(N2)と二酸化炭素(CO2)に変えます。 - 還元処理の例:六価クロム(Cr6+)処理
強い毒性と発がん性を持つ六価クロムは、水に溶けやすい性質を持っています。そこで、硫酸第一鉄や亜硫酸水素ナトリウムなどの「還元剤」を加えて、六価クロムを「還元」し、毒性が低く水に溶けにくい「三価クロム(Cr3+)」に変えます。
その後、pHをアルカリ性にして「中和処理」を行うことで、三価クロムを水酸化クロムの沈殿物として除去します。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
酸化還元処理は、非常に強力で確実な処理方法ですが、その反応は「pH」や「ORP(酸化還元電位)」によって大きく左右されます。
そのため、処理槽のpHやORPをリアルタイムで監視・制御しながら、適切な量の薬品を注入することが不可欠です。
特に、還元処理の後に中和処理が必要な「クロム処理」などは、複数の化学反応を正確にコントロールする、高度な排水処理ノウハウが求められるんですよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日は酸化還元処理について解説しましたが、この反応の管理指標となる「ORP(酸化還元電位)」や「pH」、酸化剤として使われる「次亜塩素酸ナトリウム」、そして還元処理の次に行う「中和処理」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
よく見られている用語

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