工場の排水処理における「中和処理」とは
こんにちは、さわまる博士です。
工場の排水は、製造プロセスで使用する薬品の影響で、強い「酸性」や「アルカリ性」を示すことがよくあります。しかし、酸性やアルカリ性の排水をそのまま放流することは、水環境(河川や海)の生物に深刻なダメージを与えるため、法律で固く禁じられています。
また、後段の生物処理(活性汚泥法)の微生物も、中性付近のpHでしか生きられません。そこで、排水処理の最初に行うべき最も重要な処理の一つが、本日解説する「中和処理(ちゅうわしょり)」です。

排水処理における「中和処理」とは、どのようなものでしょうか?

中和処理とは、酸性の排水には「アルカリ剤(苛性ソーダなど)」を、アルカリ性の排水には「酸(硫酸など)」を添加し、化学反応によってお互いの性質を打ち消し合わせ、排水のpHを中性付近(通常pH 6~8程度)に調整する操作のことです。
この処理は、「pH計」で排水のpHをリアルタイムに監視しながら、pHの値に応じて自動で薬品の注入量をコントロールする「pH中和槽」で行われるのが一般的です。
排水処理における中和処理の役割
中和処理は、排水処理全体の安定稼働と、環境保全のための「土台」となる処理です。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
中和処理は、単にpHを中性にするだけではありません。
例えば、金属工場などの排水に溶けている有害な重金属イオン(銅、亜鉛など)は、酸性の状態では水に溶けていますが、pHをアルカリ性に(例:pH 9~10に)調整することで、水に溶けない水酸化物の沈殿物として析出させることができます。このように、中和処理は「pH調整」と同時に「有害物質の不溶化」という目的で使われることも多い、重要な排水処理技術なんですよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日は中和処理について解説しましたが、この処理で最も重要な指標である「pH」や、pHの変動を抑える能力である「アルカリ度」、中和剤として使われる「苛性ソーダ」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
よく見られている用語

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