凝集沈殿処理

工場の排水処理における「凝集沈殿処理」とは

こんにちは、さわまる博士です。
工場の排水の中には、BODのように水に溶けている汚濁物質のほかに、水中に微細な粒子として漂っている「濁り」の原因物質(SS)も多く含まれています。

これらの粒子は非常に小さく軽いため、そのまま沈殿槽に入れても、なかなか沈んでくれません。そこで、これらの粒子を強制的に「大きく」「重く」して沈める化学的な処理方法が、本日解説する「凝集沈殿処理(ぎょうしゅうちんでんしょり)」です。

さわまる博士

排水処理における「凝集沈殿処理」とは、どのようなものでしょうか?

凝集沈殿処理とは、排水中に浮遊する微細なSS粒子や、水に溶けているリン酸、一部の有機物などを、薬剤(凝集剤)の力でくっつけ合わせ、大きな塊(フロック)にして、重力で速やかに沈降・分離させる排水処理技術です。「凝沈(ぎょうちん)」とも略されます。

この処理は、主に以下のステップで構成されます。

  • 1. 凝集(凝結・凝集)
    ・凝結:まず、「無機凝集剤(PACや硫酸バンドなど)」を加えて急速に撹拌し、マイナスに帯電しているSS粒子の電気を中和させ、小さな塊(マイクロフロック)を作ります。
    ・凝集:次に、「高分子凝集剤(ポリマー)」を加えてゆっくり撹拌し、小さな塊同士を架橋(橋渡し)させ、大きく重い、沈みやすいフロックに成長させます。
  • 2. 沈殿
    成長したフロックを「沈殿槽」に導き、水の流れを遅くして、フロックを重力で沈降させます。きれいになった上澄み水が処理水となり、底に溜まったフロックの塊は「凝集汚泥」として引き抜かれます。

排水処理における凝集沈殿処理の役割

凝集沈殿処理は、排水処理の様々な場面で活用される、非常に重要な物理化学的処理です。

  • 一次処理(生物処理の前処理)
    生物処理(活性汚泥法)の前に設置し、あらかじめ排水中のSSや一部のBODを除去します。これにより、後段の曝気槽の負荷を軽減させることができます。
  • リンの除去
    生物処理では除去しきれない、水に溶けているリン酸(H₃PO₄)を、凝集剤と反応させて不溶性の沈殿物として除去するためにも使われます。
  • 高度処理(三次処理)
    生物処理の後に設置し、処理水に残る微細なSSや色度を除去し、処理水質をさらに向上させる「仕上げ」として用いられます。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

凝集沈殿処理のキモは、排水の水質(特にpH)に合わせて、最適な「凝集剤」の種類と「注入量」を見つけることです。

注入量が少なすぎるとフロックがうまくできず濁りが取れませんし、逆に多すぎても薬剤が無駄になるばかりか、かえって処理水質を悪化させることもあります。「ジャーテスト」と呼ばれるビーカー試験で、最適な条件を見つけ出すことが、排水処理担当者の腕の見せ所なんですよ。

さらに詳しく知りたい方へ

本日は凝集沈殿処理について解説しましたが、この処理で使われる「凝集剤」や「PAC」、そして処理の舞台となる「沈殿槽」、除去対象である「SS(浮遊物質量)」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。

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