ショートパス
工場の排水処理における「ショートパス」とは
こんにちは、さわまる博士です。
排水処理では、曝気槽や沈殿槽といった大きな水槽(反応槽)の中で、排水が「設計通りの時間」滞在し、微生物による分解や、重力による沈降が十分に行われることが前提となっています。
しかし、水槽の構造や水の流れ方が悪いと、入ってきた排水の一部が、十分な処理を受けないまま、出口から「近道」して流れ出てしまう現象が起こります。
この現象を、排水処理の専門用語で「ショートパス」と呼びます。

排水処理における「ショートパス」とは、どのようなものでしょうか?

ショートパス(Short Pass)とは、反応槽(曝気槽、沈殿槽、調整槽など)に流入した排水が、槽内の全体に均一に混ざらず、一部の水流が「近道」して、設計上の滞留時間よりも極端に短い時間で出口から流出してしまう現象のことです。「短絡(たんらく)」とも言われます。
ショートパスが排水処理に与える悪影響
ショートパスは、排水処理の効率を著しく低下させる原因となります。
- 曝気槽での処理不良
曝気槽でショートパスが起こると、流入したBODが微生物と接触する時間(反応時間)が不十分なまま流れ出てしまいます。これにより、処理水質のBODが設計通りに下がらなくなります。 - 沈殿槽でのSS流出
沈殿槽でショートパスが起こると、流入した汚泥(フロック)が沈降するための十分な時間を与えられず、速い流れに乗ったまま出口から流出(キャリーオーバー)してしまいます。これにより、処理水質のSSが大幅に悪化します。 - 調整槽での機能不全
調整槽は、排水の水質や水量を均一化する(ならす)ための水槽ですが、ショートパスが起こると、入ってきた高濃度の排水がそのまま次の工程に流れ出てしまい、均一化の役目を果たせなくなります。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
ショートパスは、水槽の「入口」と「出口」の位置が近すぎたり、水槽の形状が細長すぎたり、あるいは内部の整流板(水の流れを整える板)が壊れていたりすると発生しやすくなります。
また、曝気槽のエアレーションが強すぎて一箇所だけ激しく撹拌されている場合も、槽内が均一に混ざらずショートパスの原因となることがあります。
水槽内の「水の流れ」をいかに均一にするかが、排水処理設備の設計とメンテナンスの腕の見せ所なんですよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日はショートパスについて解説しましたが、この現象が問題となる「曝気槽」や「沈殿槽」、そしてショートパスが引き起こすトラブルである「処理水白濁」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
よく見られている用語

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