T-P(総リン)

工場の排水処理における「T-P(総リン)」とは

こんにちは、さわまる博士です。
窒素と並んで、富栄養化の大きな原因とされているのが、本日解説する「T-P(総リン)」です。これも工場排水で厳しく規制されている項目の一つです。

さわまる博士

T-P(総リン)とは、何のことでしょうか?

T-P(総リン)とは、水中に含まれるあらゆる形態のリン化合物を合計した総量のことです。「Total Phosphorus」の略称です。
具体的には、水に溶けているリン酸イオン(オルトリン酸)や、有機物(DNAやたんぱく質など)に含まれる有機態リンのすべてを含みます。

なぜT-P(総リン)を管理する必要があるのですか?

リンも、窒素と同様に植物プランクトンの重要な栄養源です。特に、リンは自然界に存在する量が少ないため、少しでも流入量が増えると、プランクトンの異常増殖を爆発的に引き起こす原因となります。
そのため、窒素と同様に水質汚濁防止法で排水基準が定められており、工場では適切な処理によって排水中のリンを除去する必要があります。

T-P(総リン)の管理で重要なこと

  • 生物学的脱リン法
    一部の微生物は、体内に必要以上のリンを溜め込む性質があります。この性質を利用し、嫌気状態と好気状態を交互に繰り返すことで、微生物にリンを過剰に摂取させ、余剰汚泥として引き抜くことでリンを除去する方法です。
  • 凝集沈殿法
    最も一般的に用いられるのが、凝集剤(PACや硫酸バンドなど)を添加する方法です。凝集剤が水中のリン酸イオンと結合し、水に溶けない沈殿物を作ります。これを沈殿槽で沈めて除去します。確実性が高い方法ですが、薬剤コストと、発生する汚泥の量が増えるという側面もあります。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

リンは、食品添加物や工業製品の原料、洗浄剤など、私たちの身の回りの様々なものに含まれています。そのため、食品工場や化学工場など、多種多様な業種の工場から排出される可能性があります。自社の工場でどのような物質が使われているかを把握することも、適切な排水管理の第一歩と言えますね。

さらに詳しく知りたい方へ

本日はT-P(総リン)について解説しましたが、関連する「T-N(総窒素)」「富栄養化」「凝集剤」「余剰汚泥」といった各用語についても、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。もし、排水のリン濃度が基準値をクリアできずお困りのことがありましたら、いつでも澤本商事にご相談ください。

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