T-N(総窒素)

工場の排水処理における「T-N(総窒素)」とは

こんにちは、さわまる博士です。
工場排水には、様々な物質が含まれていますが、その中でも特に厳しく管理されている項目の一つが、本日解説する「T-N(総窒素)」です。

さわまる博士

T-N(総窒素)とは、何のことでしょうか?

T-N(総窒素)とは、水中に含まれるあらゆる形態の窒素化合物を合計した総量のことです。「Total Nitrogen」の略称です。
具体的には、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素といった「無機態窒素」と、タンパク質やアミノ酸などに由来する「有機態窒素」のすべてを含みます。

なぜT-N(総窒素)を管理する必要があるのですか?

窒素は、植物プランクトンの栄養源となるため、これが海や湖沼に大量に流れ込むと、アオコや赤潮といった「富栄養化」を引き起こす主な原因となります。
この環境問題を防ぐため、水質汚濁防止法によって全国一律の排水基準が定められているほか、特に環境への影響が大きい地域では、さらに厳しい上乗せ排水基準が条例で定められています。多くの工場にとって、T-Nは必ずクリアしなければならない重要な規制項目なのです。

T-N(総窒素)の管理で重要なこと

  • 生物学的脱窒素
    排水処理における窒素除去の基本は、微生物の働きを利用した「生物学的脱窒」です。これは、酸素が豊富な「好気槽(曝気槽)」でアンモニアを硝酸に変え(硝化)、次に酸素のない「嫌気槽」で硝酸を窒素ガスに変えて大気中に放出する(脱窒)という、二段階のプロセスです。この二つの工程がうまく連携しているかが、管理の鍵となります。
  • C/N比の管理
    脱窒素反応を進めるためには、微生物のエサとなる有機物(BOD)が必要です。この有機物と窒素の比率(BOD/T-N比)が適切でないと、脱窒がうまく進みません。必要に応じて、メタノールなどの有機物を添加して、バランスを調整することもあります。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

家庭から出る生活排水にも、もちろん窒素は含まれています。しかし、工場排水は生活排水に比べて、窒素濃度が非常に高かったり、逆に有機物(エサ)が極端に少なかったりと、微生物にとって処理しにくいケースが多くあります。だからこそ、専門家による水質分析と、その工場に合わせた運転管理が不可欠になるのですよ。

さらに詳しく知りたい方へ

本日はT-N(総窒素)について解説しましたが、関連する「T-P(総リン)」「富栄養化」「硝化」「脱窒素反応」「BOD」といった各用語についても、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。もし、排水の窒素濃度が下がらずお困りのことがありましたら、いつでも澤本商事にご相談ください。

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