加圧浮上処理

工場の排水処理における「加圧浮上処理」とは

こんにちは、さわまる博士です。
排水処理では、重力を利用して汚れを沈める「沈殿槽」が有名ですが、水より軽かったり、沈みにくかったりする汚れはどうすればよいのでしょうか。
本日は、そんな汚れを「浮かせて」取り除く技術、「加圧浮上処理」について解説します。

さわまる博士

加圧浮上処理とは、どのような仕組みなのでしょうか?

加圧浮上処理とは、水中に微細な空気の泡を無数に発生させ、その泡の力で水中の浮遊物質(SS)を強制的に水面まで浮上させて分離・除去する方法です。特に、油分(n-ヘキサン抽出物質)や、凝集処理でつくられた比重の軽いフロックの除去に高い効果を発揮します。

処理のプロセス

  • 加圧と空気の溶解
    処理水の一部(または原水)を加圧タンクに送り、そこで高い圧力をかけながら空気を吹き込み、水中に多くの空気を溶け込ませます(サイダーの原液を作るイメージです)。
  • 圧力の解放と気泡の発生
    空気が飽和した加圧水を、処理対象となる水槽(浮上槽)へ送り込み、一気に大気圧まで減圧します。すると、水に溶けきれなくなった空気が、目に見えないほどの微細な気泡となって無数に発生します(サイダーの蓋を開けたイメージです)。
  • 付着と浮上
    この微細な気泡が、水中の浮遊物質(油滴やフロックなど)に付着します。たくさんの泡が付着した浮遊物質は、浮力を得て、ゆっくりと水面まで浮上していきます。
  • スカムの回収
    水面に集まった浮遊物質の層は「スカム」と呼ばれ、スキマーというかき寄せ装置で回収され、処理されます。

さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!

加圧浮上処理は、重力沈降では何時間もかかるような微細な粒子の分離を、数十分という短時間で行える非常に効率的な方法です。装置を設置するスペースが限られている場合などにも、有力な選択肢となる技術ですよ。

さらに詳しく知りたい方へ

本日は加圧浮上処理について解説しましたが、関連する「SS」「n-ヘキサン抽出物質」「凝集剤」や、浮上した汚泥を指す「スカム」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
油分やSSの除去でお困りのことがありましたら、いつでも澤本商事にご相談ください。

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