膜処理
工場の排水処理における「膜処理」とは
こんにちは、さわまる博士です。
排水処理における「ろ過」とは、水と不純物(SSなど)を分離する操作のことです。この「ろ過」に、肉眼では見えないほど微細な「孔(あな)」を持つフィルター(=膜)を使うことで、従来の方法では分離できなかった物質まで除去する技術があります。
これが、本日解説する「膜処理(まくしょり)」です。

排水処理における「膜処理」とは、どのようなものでしょうか?

膜処理とは、「膜(メンブレン)」と呼ばれる、特定の大きさの物質だけを通過させる選択的な分離機能を持った薄い膜(フィルター)を用いて、排水中の汚濁物質を分離・除去する技術の総称です。
膜には、孔の大きさ(分画サイズ)によって、主に以下の4つの種類があり、除去できる物質の大きさが異なります。
- 精密ろ過膜 (MF膜):孔が最も大きい。SS、細菌、原生動物などを除去。
- 限外ろ過膜 (UF膜):MFより孔が小さい。高分子物質(タンパク質など)やウイルスを除去。
- ナノろ過膜 (NF膜):UFよりさらに孔が小さい。多価イオン($Ca^{2+}$など)や低分子有機物を除去。
- 逆浸透膜 (RO膜):孔が最も小さい。イオン類($Na^+$, $Cl^-$など)ほぼ全てを除去し、水分子($H_2O$)のみを通過させる。
排水処理における膜処理の役割
膜処理は、その高い分離性能を活かし、排水処理の高度化や水再利用に不可欠な技術となっています。
- 高度処理(SSの完全除去)
精密ろ過膜(MF)や限外ろ過膜(UF)を使い、生物処理(活性汚泥法)の処理水に残る微細なSSを完全に除去し、極めて清澄な処理水を得るために使われます。 - 膜分離活性汚泥法(MBR)
曝気槽にMF膜やUF膜を浸漬させ、沈殿槽の代わりとして活性汚泥を強制的にろ過する技術(MBR)にも使われます。 - 純水の製造・脱塩(水再利用)
逆浸透膜(RO)を使い、処理水から塩類(イオン)まで除去して「純水」を作り、工場の洗浄水などとして「再利用」するために使われます。海水から真水を作る淡水化プラントの主役もこのRO膜です。
さわまる博士の
ワンポイントアドバイス!
膜処理の最大の課題は、運転を続けると必ず発生する「膜の目詰まり(ファウリング)」です。
膜の孔にSSや有機物が詰まると、水が通りにくくなり(ろ過抵抗が上昇)、処理能力が低下します。そのため、定期的に薬品で膜を洗浄したり、膜を通過する前の前処理(凝集沈殿や砂ろ過など)で、目詰まりの原因物質をあらかじめ取り除いておくことが、膜処理を安定して運用する上で非常に重要なんですよ。
さらに詳しく知りたい方へ
本日は膜処理について解説しましたが、膜処理の具体的な種類である「精密ろ過膜(MF)」や「限外ろ過膜(UF)」「逆浸透膜(RO)」、そして膜処理が活用される「膜分離活性汚泥法(MBR)」といった用語も、併せてご確認いただくことで、より理解が深まります。
よく見られている用語

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